海辺の町と山奥の村を電車で結ぶ「うみやまてつどう」。
「うみやまてつどう」には、時々不思議なことや楽しいことが起こるそうで・・・。
山奥行きの最終電車、いつもは空いているのに、今日はなぜか大勢のお客さんがおしかけています。
見かけない人たちばかり、どういう訳かみんな丸々とした体型をしているのです。
次の駅でも、またその次の駅でもどんどん乗車してきます。心なしか電車が膨らんでいる!?
やがて電車が「ぽんぽこやまえき」に到着すると、一斉に下車するお客さんたち。一体ぽんぽこやまで何があるのでしょう。
駅長さんがふと手の中を見てびっくり!切符だと思っていたのは、すべて葉っぱだったのです。慌てて後を追いかけていった駅長さんと駅員さんの二人が見たものは?
観音開きになるしかけに描かれた、クライマックスの場面は圧巻です。
のどかな風景の中をのんびり走る「うみやまてつどう」。その姿だけでもワクワクしてしまうのに、そこで起きる出来事がまた本当に平和で楽しくて微笑ましい。
本来ならば「だまされた!」と怒り出してもいいはずの駅長さんと駅員さんが、怒るどころか思いっきり楽しんでいるその姿。だまされたのが嬉しいのか、ちょっと自慢気な顔にも見えてきます(笑)。なんてうらやましい光景!
ああこんな大らかな雰囲気のただよう鉄道、本当にあるならば絶対行ってみたい。
作者は大人気電車絵本『でんしゃでいこう でんしゃでかえろう』の間瀬なおかたさん。
駅の様子、電車の通る風景、電車の音や姿はもちろんのこと、このシリーズでは、豊かな自然に恵まれた鉄道の沿線ならではの楽しみが沢山描かれています。次はどんな出来事が起きるのか、早くも楽しみになってきてしまいました。
(磯崎園子 絵本ナビ編集長)
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『でんしゃでいこう でんしゃでかえろう』でおなじみの間瀬なおかたが、
乗り物しかけ絵本で読者を不思議の世界へいざなう「うみやまてつどう」
シリーズ第2作。
いつもすいている「うみやまてつどう」の最終電車が、今日はなぜか超
満員。やがてぽんぽこやま駅に着くと、乗客たちは一斉に下車しました。
「こんな遅くに、なにしに行くんだろう」不思議に思いながら乗客を見
送った駅長さんでしたが、手の中を見てびっくり!
切符だと思って受け取ったのは、すべて葉っぱだったのです。
「どういうことだ」駅長さんたちはあわてて後を追いかけます。
やがて森の中から聞こえてくる太鼓の音。その音に誘われて踊りの輪に
加わってしまう駅長さんたち。今日はたぬきたちのぽんぽこ祭りの日で…。
●好評既刊 うみやまてつどう まぼろしのゆきのはらえき
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