「ボーン ボーン ボーン・・・と、とけいが12かいなった。
うすぐらいみせのなか ヒソヒソとこえがきこえてくる。
ここは、とあるレストランの・・・
メニューのなか。」
メニューのなか!? そんなところで、だれがおしゃべりしていると思います?
それはね・・・
「いやぁ、きょうもぼくのにんきはすごかったなぁ」とハンバーグ。
「おれだってまけてなかったぜ!」とカレーライス。
「あら、わたしだってみんなのにんきものよ」とオムライス。
そう、本当にメニューの料理たちだったんです。
言いあいになるのも当然。だってここは、世界一おいしいと評判のレストラン。
ぼくがいちばん、わたしがいちばん、と言いあらそいをしはじめるうちに、ついにはひょっこりと(本からぺろりとはがれるように)起き上がり、おやおや・・・とっくみあいのけんかをはじめたから、さあ大変。
そこへ顔を出したスプーンとフォークは、カレーライスやケーキがどんなにおいしいか、いつも味見をしていることを主張して得意満面。
えっ、そういえば、「じぶんのあじ」って、知らないかも・・・?
ショックを受けたメニューたち、夜の味見を決行します!!
口をとがらせたり、よだれをたらしたり、表情たっぷりのメニューたちがおかしくて可愛い。
奇想天外なお話、洋食レストラン風の色合い(?)の絵にわくわくしちゃいます。
最後は、さらにメニューたちがショックを受ける場面が待っていますよ。
(もちろん「あれ」には、さすがのメニューたちもかないませんよね〜。)
あとは読んでのお楽しみ!
ユーモラスな雰囲気で、盛り上がる場面がいくつもあり、読み聞かせにもってこいの一冊です。
(大和田佳世 絵本ナビライター)
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メニューに描かれた料理たちが本当の料理を味見した!?
ここは、世界一おいしいと評判のレストラン。夜中のこと、メニューの中のカレーライスやハンバーグたちが言い争っています。「ぼくの人気はすごかったなあ」「私こそ人気者よ」「ぼくが一番」。そのうちに、みんなでとっくみあいのけんかが始まりました。すると、スプーンとフォークがやってきて言いました。「君たちは、そもそも自分の味を知っているのかい?」メニューたちは、だれも料理を食べたことがありません。そこで、厨房へ行って実際に味わってみることにしました。すると、どれもこれもおいしいこと。「みんな世界一なんだ!」と納得したのです。
ところが次の日、レストランにやってきた子どもの言葉に、メニューたちは衝撃を受けることになるのですが…。
メニューに描かれた料理たちの愉快なお話です
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