春。999ひきのおたまじゃくしのきょうだいが遊んでいます。
998ひきにはあしが生えましたが、いちばん小さなおたまじゃくしには、まだあしが生えません。
「まってー」と、みんなのあとを、いっしょうけんめい追いかけます。
998ひきがかえるになってぴょんぴょんと池の外へでていっても、小さなおたまじゃくしは追いかけることができません。まだしっぽがあるからです。
「いいなー。ぼくもはやくそとにいきたいなー。」そのとき・・・
「おにいちゃん・・・?」
誰かの声がしました。「え? おにいちゃんって、ぼくのこと?」
さて、声をかけたのは誰でしょう。表紙を見たひとは、わかるかな?
タイトルの『999ひきのきょうだいのおとうと』は、小さなおたまじゃくしのことではなく、小さなおたまじゃくしをおにいちゃんだと思った、誰かさんのことだったんですね。
後半は、シリーズにたびたび登場する長〜いへびが「ごちそう、まてえー」とおそいかかり、小さなおにいちゃんに危機が迫ります!
「999ひきのきょうだい」シリーズ第4弾。
いちばん小さなおたまじゃくしが「おにいちゃん」って呼ばれて、嬉しくなっちゃう気持ち、子どもたちはきっとわかりますよね。
毎回、かえるのきょうだいたちが奮闘する人気シリーズですが、今作も期待を裏切りません。
お話は、1作、1作、完結しているのでどの作品から読んでもOK。
でも、シリーズをとおして読むと「あれ、これって『999ひきのきょうだいのおひっこし』と、舞台がつながっているの?」など、発見・想像する楽しみも味わえますよ。
絵は、いつもお茶目な遊びを入れてくれる村上康成さん。かえるの模様に、作者・木村研さんのK、村上康成さんのYのイニシャルが隠されているそうですから、探してみてくださいね。
(大和田佳世 絵本ナビライター)
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「999ひきのきょうだい」シリーズ第4作
春の池で産まれたおたまじゃくしの兄弟が、かえるになって池から出ていきました。でも、まだしっぽのある一番小さなおたまじゃくしは、池に残ったまま。そこへ、ざりがにの赤ちゃんがやってきました。しっぽも足もあるおたまじゃくしをお兄ちゃんだと思ったのです。おたまじゃくしは、お兄ちゃんになって遊んであげました。ところが、いっしょに眠っているうちに、母ざりがにがやってきて、ざりがにを連れて帰ってしまいました。
やがてかえるになったお兄ちゃんは、弟を捜しに出かけます。でも、池の外は危険がいっぱい! ほら、かえるをねらうへびが現れて…お兄ちゃん大ピンチ!!
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