ペットショップで買ったぼくのサイ。
おとなしくて、はずかしがりや。
そして、何にもしないんだ。ボールも取りに行かないし、フリスビーだって反応しない。
全然動かない、まったく何もしない。
サイの専門家に聞いたら言ったんだ。
「サイは ふたつのことしか しないの。 風船をわる、たこに穴をあける。それだけ。」
そんなバカな!!
…ところが、ぼくのサイはそれすらしない。
さいていだ、がっかりだ。カバを買えばよかった。
ここまで読んでいると、読者の方が思わずつぶやいちゃうはず。
「そんなバカな!」
このサイは何者なんだ?専門家は何を言っているんだ?
頭の中に?がいっぱい浮かんできた頃、そんなモヤモヤを吹き飛ばす、あっと驚く大展開が後半に待ち受けています。
サイの目の色が一瞬で変わった出来事とは?
ぼくが一番気に入ったサイの得意技とは?
おもしろい!
おもしろくて、最後にスカッとする絵本。
ちょっと不思議だけど、洗練されたユーモアセンスが魅力のこの作品の作者はアメリカの絵本作家ジョン・エイジー。日本でも『マジシャンミロのふしぎなぼうし』が人気ですね。
センダックが傑作と評したナンセンス絵本、是非体験してみてくださいね。
(磯崎園子 絵本ナビ編集長)
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