昔、不思議な術をつかうチョンウチ道士が住んでいました。ある日、山のふもとから泣き声が聞こえてくるので行ってみると、そこには目の見えないお母さんと腹をすかしたハンジャギョンという男がたおれていました。
哀れに思ったチョンウチ道士は、着物の袖から掛け軸を取り出します。「この掛け軸を部屋にかけて蔵番をよびなさい。そして1日1両だけもらうようにしなさい」。掛け軸には蔵と蔵番がポツンと描かれています。
ハンギョンジャは掛け軸を壁にかけて恐る恐る声をかけてみました。すると、「ははぁー」と男の子が現れ……。
掛け軸に描かれた蔵の門を出入りするという奇想天外な世界。絵本で味わう韓国のファンタジーです。
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