「きみはきみのまま、自由になっていい」
片方しか翼を持たない天使・テイラーは、その横暴な振る舞いを見た神さまに「声」を奪われてしまう。
“本当の”声を取り戻したければ「旅」に出るようにと、下界におろされたテイラーは、そこでさまざまな「痛み」「孤独」「葛藤」を持つ人間たちを出会う。
自分らしさとは、自分を愛するとはなんなのか??。
あたたかさを知らなかった天使の、はじめての冒険の物語。
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「劇的な変化やハッピーエンドが待っているわけではなく、それぞれの人生が交わり、そして離れていく。それこそが『生きていく』ということなんだと私は考えています」(あとがきより)
人と距離を置いたり、痛みをなかったことにしようとしたり、自己肯定感が低かったり、他人からの「こうあるべき」に縛られてしまっていたり……人生はいつだってハッピーエンドなことばかりが繰り返されるわけではない。私たちが生きていく過程で起こり得るさまざまな苦しみを題材に、臨床心理士がつむぐ、自分の心を大切にするための物語。
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