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ぐるんぱは、とっても大きなぞう。 でも、ずっとひとりぼっちでさみしく暮らしてきたのです。 からだもきたなくて、くさいにおいもして……時々涙を流したりして。
見るに見かねたジャングルのぞうたちが、会議をします。 「ぐるんぱを、はたらきに出そう」 「さんせーい」 みんなに全身を洗ってもらい、みちがえるほど立派になったぐるんぱ。 さあ、はりきって仕事探しです!
ところが……。 ビスケットやのびーさんにも、おさらつくりのさーさんにも、靴やのくーさんにも言われてしまうのです。 「もう けっこう」 ぴーさんにも、じーさんにも。 こんなにがんばっているのに、どうして?
1966年に発売されて以来、ずっと変わらず子どもたちに愛され続けているこの絵本。なかなか上手に自分の居場所を見つけられないぐるんぱを見ながら、子どもたちは知らぬ間に自分と重ね合わせているのかもしれません。だからこそ、最後の場面に出会った時、たくさんの子どもたちに囲まれて遊ぶぐるんぱの様子に心底ほっとため息をつき、嬉しそうな笑顔を見せるのでしょう。
さらに子どもたちの心に強烈な印象を残すのは、ぐるんぱの作った大きなビスケットであり、大きなおさらや靴であり、スポーツカーやピアノであり。あのワクワクするようちえんであり。そういった魅力的な絵の数々でもあります。そうやって、あらゆる感覚を刺激してくれる1冊だからこそ、ロングセラーとなっているのでしょうね。
失敗を繰り返しながらも前に進む健気ななぐるんぱ。その先でしっかりと自分の仕事を見つけるぐるんぱ。絵本を開くたびに出会うぐるんぱは、大人になった今でも、私にとって「ともだち」であり、「あこがれ」なのです。
(磯崎園子 絵本ナビ編集長)
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ぐるんぱは、ひとりぼっちの大きなぞうです。ビスケットやさん、靴屋さん、ピアノ工場、自動車工場……。ぐるんぱは、色々な仕事場で一生懸命に働きますが、つくるものが大きすぎて失敗ばかり。そんなときぐるんぱは、子どもがたくさんいるお母さんに出会います。子どもたちの世話をたのまれたぐるんぱは、とても素敵なものを作ります。それはぐるんぱが作った大きなものでたくさんの子どもたちが遊べる、すてきな幼稚園でした。
わたしが幼い頃、すきだった絵本の1冊です。
特に、ぐるんぱが大きな靴をつくっている場面と大きなお皿をプールにして子ども達があそんでいる絵は鮮明に覚えていました。
娘が生まれて絵本と触れ合う機会が多くなった今、書店でふと目にとまり娘のために購入しました。
懐かしい。でもそれだけじゃない。と思いました。
昔は感じなかった感情が溢れてきました。
これはぐるんぱの『自分さがし』の物語なんだ。
ぐるんぱは自分がどう生きるかわからない、考えない、行動できない。
仲間に背中を押されてやっと一歩踏み出す。
そのあと、ぐるんぱはいろいろなことを体験していく。
失敗を繰り返して、それでも次へすすんでいく。
最後にぐるんぱは気がつく。
今までやってきたことは決して無駄じゃなかった。
全てに意味があったんだ!
なんだか人生がこの絵本の中にあるような気がしました。
娘は、昔のわたしのようにただ物語を楽しんでいますが、
いつか、娘なりの解釈でぐるんぱの人生を読んでほしいと思いました。 (みいここさん 30代・ママ 女の子3歳)
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