カメレオンは、まわりの環境に合わせて体の色を変えることができます。目立たないようにそっと色を変え、ハエを食べてくらしていたのです。でもある日、カメレオンは動物園にいる色とりどりの動物たちを見て驚きました。
「あんなふうになれたらなあ」
すると、カメレオンの体はどんどん変化しはじめました。ほっきょくぐまみたいに体が大きくなり、フラミンゴそっくりなピンクのつばさがはえ、キツネのしっぽ、魚のひれ、ゾウみたいな長い鼻まで……もうカメレオンの体はごちゃまぜ! これではハエをつかまえることもできません。そこでカメレオンは思います。
「もとの ぼくに なれたらなあ!」
作者のエリック・カールが子どもたちとの触れ合いの中で生まれたというこの絵本。ページをめくるたびに、動物たちのそれぞれの特徴的な形を身につけていくカメレオン。ごちゃまぜになればなるほど、大喜びする子どもたちの様子が目に浮かびますよね。追加されていく動物がインデックスタブのように見られる形になっている絵本のつくりや、鮮やかで豊かな色彩もワクワクさせてくれます。カメレオンの幸せってなんだろう、そんなことも考えながら、にぎやかに楽しんでくださいね。
(磯崎園子 絵本ナビ編集長)
カメレオンは、まわりの環境にあわせて体の色を変えながら、ハエを食べてくらしていました。 でもある日、動物園で見たほかの動物たちのことがうらやましくなりました。 あんなふうになれたらなあ。そう思うと、体がどんどん変化していきます。 ほっきょくぐまみたいに体は大きく灰色に。キツネのしっぽが生え、キリンのように首が長くなり、顔はゾウ……。 そこへ、ハエが1ぴきとんできました。けれど、いつもの長い舌がないので食べられません……。 「もとのぼくになれたらなあ!」
ページをめくるごとに、いろんな動物の特徴を身につけて、色も形もあざやかに変わっていくカメレオン。 絵とストーリーがみごとにとけあったゆかいな絵本です。
こんなに目立つカメレオン
カメレオンは背景色に色を変えて身を守ることをの知っていましたが、この絵本では思いきり目だっています。
姿かたちを模倣するカメレオンです。
エリック・カールさんだからできる技でしょうか。
色と造形で楽しめる絵本です。 (ヒラP21さん 70代以上・その他の方 )
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