ものがたりを かこう!
準備するのは、えんぴつを一本か二本。おっきなけしごむとえんぴつけずり、おやつもちょっぴり。それから、目も耳も鼻も指もあこがれの気持ちも、全部使う。
ものがたりを生み出すのは、簡単なことじゃない。何も浮かんでこなくて、時間ばかりがたって、時にはなげだしたくなることもある。けれど、あきらめないで、もういちどえんぴつをにぎってみる。世界でたった一つの「きみだけのものがたり」をかくために。
ゴールデン・カイト賞を2度受賞し、ストーリーテラーとして評価の高い作家デボラ・ホプキンソンが描き出すのは、「生みの苦しみ」と、それを切り抜けるためのアイデア。
なにかを生み出そうとした時。それが大変な作業だということは、一度でも経験したことがある人ならわかるはず。絵本の中に登場する「きみ」も、言葉が出てこなくて、紙の山ばかりが大きくなって、他の人が書いたものがたりを読んで楽しみ、あきらめそうになる。でもきみは、あることに気づき……。
抽象的なことに挑戦しているようで、その取り組み方や、考える方法の描き方はとても具体的。だからこそ、この絵本を読んではげまされる子どもたちや、勇気をもらう大人も多いことでしょう。その一歩をふみだしたなら、きっとどこかへつながる道があるはず。巻末には、さらに詳しくアイデアを形にするためのヒントも書いてありますよ。
(磯崎園子 絵本ナビ編集長)
ものがたりを かこう! なにかを うみだすのは、かんたんな ことでは なくて、 ときに なげだしたくなるれど、あきらめないで、 もういちど えんぴつを にぎる。 せかいで たったひとつの 「きみだけの ものがたり」をかくために。
物語を書こうとしたことがあるなら、それが思ったより大変な作業だということをごぞんじでしょう。言葉はまいごになり、エンピツはおれ、ボツになったぐちゃぐちゃの紙の山がどんどん大きくなるばかり。ほかの人が書いたすてきな物語を読んだ方がどんなに楽しいことか!
本書はゴールデン・カイト賞を2度も受賞し、ストーリーテラーとして評価の高いデボラ・ホプキンソンが、「生みの苦しみ」への共感をえがき、それを切り抜けるアイデアをさずけます。
子どもたちをはじめ、なにかを生み出そうとするすべての人をはげます絵本です。
わかる!
「あー、わかる、わかる!」と、とても共感してしまいました。創作するときのうみの苦しみが、ものすごく伝わってきます。もちろん、お話はそこで終わるのではなく、そこをのりこえて、その先へいくヒントも書かれていて良かった。読み終わると、ものがたりをかきはじめたくなりますね。これから、創作をはじめようとする子どもたちだけでなく、すでに、何かを創作している大人にもいいなと思いました。 (あんじゅじゅさん 50代・その他の方 )
|