裏切者はだれだ?
山で修行をつんだ<青の読み手>ノアは、めきめきと秘術の腕をあげていた。 そんなおり、北の大国ザスーンで反乱が起こり、皇帝一家が殺されたとの一報が入る。 ノアたちはこの政変の背後に、世界をほろぼすために復活するといわれたレトの存在を予感する。 しかし、生き残りの皇子アレクセイがあらわれたことで、事態は一変する。 『青の読み手』『紅の魔女』に続く 1冊の本をめぐる長編ファンタジー第3弾。
:::::::::::::::::::::::::::::::: まるで目の前にいるように、アレクセイのつめたい息がノアの頬にかかった。 アレクセイの黄色い瞳の中に、ノアのこわばった顔がうつっている。 「おまえがレトか」と、ノアはうめいた。 うすいくちびるをゆがませ、アレクセイはノアにいった。 「わたしはサロモンの生まれ変わり。レトは、おまえだ。自分の名前を、まだ思いだせないのか?」
(本文より)
【編集者より】:::::::::::::::::::::::::::::::: ヨーロッパを思わせる架空の国を舞台に、 1冊の本を巡ってくりひろげられる本格ファンタジー『青の読み手』『紅の魔女』につづく第3弾です。 たくましく成長していく主人公に、ライバルがあらわれます。その正体は? またセシル女王をめぐる宮廷の陰謀も目が離せません。 物語に没頭するひととき、ぜひお楽しみください。 :::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
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