「やっほーい!」
冬眠から目を覚まし、巣穴からとびだしていくのは、くまくん。フキノトウやイタドリをむしゃむしゃ食べ、木に登ってブナの若葉を食べ、サルナシやドングリ、ヤマブドウも食べます。お母さんに教えてもらったのです。
「あれっ?」
キイチゴに夢中になっていると、ふとお母さんがいないことに気がついたくまくん。今日からは自分で食べ物を探さなくてはなりません。ひとりで暮らしていく日がやってきたのです。色々な動物に出会い、驚いたり、さまよったり。さまざまな経験をしていくなかで、くまくんは少しずつ成長していきます。
山の中に生きる動物たちを、シンプルにデザインされた背景の中で愛情たっぷりに描く村上康成さん。ふいに新しい生活へと放り出されたかのように見えるくまくんは、無邪気で愛らしく見える一方で、ただその日に食べるものを探すために歩きつづける姿は、頼もしくも見えるのです。
これから未来に向けて歩みだす子どもたちだって同じです。この先に何があるのかな、誰と出会うのかな。厳しくも美しい自然の中で健やかに暮らす動物たちを見ながら、きっと力をもらうことでしょう。とっとこ、とっとこ、今日も元気に絵本の中で走りまわっているのは……
「くまくんです。」
(磯崎園子 絵本ナビ編集長)
いつもお母さんに見守られて暮らしてきたくまくん。でも、お母さんと別れるときがやってきました。これからは、食べ物も一人で探さなければなりません。いろいろな動物に出会い、さまざまな経験をして少しずつ成長していくくまくんの物語。山の中で生きている動物に思いをはせ、命をはぐくむ大地へのイメージが広がる絵本です。
愛らしい動物たち、シンプルにデザインされた野原や林、山々、星空・・・。村上康成ワールドが全開!自然に対する深い思いを子どもたちに優しく伝えます。
担当編集者より 作者の村上さんは、コロナ禍を経た今だからこそ、未来に向けて歩みだした子どもたちに、どんな世の中であっても、健やかに生きていって欲しいという願いをこめて、エールを送るつもりでこの作品を描かれたそうです。
あしのうらもうれしくなる、っていいなあ。
あまりにもシンプルなタイトルで、「どんな本?」って思いますが、たくさんのものに出会うし、いろんなことをするし、中身はいっぱいつまってます。
なにせくまくん、あしのうらもうれしくなるくらいとっとことっとこ、ですから。 (よし99さん 50代・じいじ・ばあば 女の子0歳)
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