真っ赤なスープの激辛ラーメンを見ると、なぜか「地獄」というキーワードが思い浮かびます。 あまりの辛さに悶絶するから? スープの色が「血の池」を想像させるから? …いやいや、実際に地獄ではラーメン屋が繁盛しているらしいですよ!?
「天国には美味しいお菓子がいっぱいあるのに、地獄にはなんにもない」 「地獄、大きらい!」 地獄にいる人間たちの不満を聞いた閻魔様。 「なんだとう。てんごくなんかに まけるもんか!」 口惜しがって一念発起。思いついたのが、閻魔様が大好きなラーメン屋。 研究の末に完成したのは、地獄にぴったりなからーいからーい「じごくめいぶつ・ちのいけラーメン」。 ところが、あまりに辛くて誰も食べられない。 そこで、完食できたらご褒美がもらえることになったのですが…?
大繁盛のラーメン屋「えんま軒」、ついには噂を聞きつけた天国からもお客がやってくる展開には驚きです。ラーメンを通じて始まる天国と地獄のやりとり。いったいどんな結末が待っているというのでしょう。
絵本『じごくのラーメンや』の背景に描かれているのは、針の山や火のくるま。恐ろしい鬼たちだってウロウロしています。だって、ここは地獄だから。だけど、どうしても笑ってしまうのはなぜでしょう。 子どもたちが大好きな、思いっきり笑える爆笑地獄絵本です。
(磯崎園子 絵本ナビ編集長)
「えんまさまぁ〜 ラーメンまだですかぁ〜」じごくにラーメンやができたらしいよ。 名物は、からーいからーい“ちのいけ”ラーメン。ぜんぶ食べたら天国へ行けるんだって! 店は毎日だいぎょうれつ。「うっはっはー、大繁盛じゃあ」とえんま様。 ラーメン食べに、天国から神様たちもやってきた! 弾けた設定にとぼけた絵が光ります。すかっと笑えるてんやわんや爆笑絵本。
閻魔さま〜!ラーメン作り、頑張ってね。
登場人物のキャラクターが良いですね。
閻魔さまは、威勢がよくて、サバサバしていて、単純そうで(笑) 根は優しい人なのかも!?って、思えてきちゃいます。
お地蔵さまもキュート♪ 「ごちそうさま おいしかったあ」 「もっと いっぱい たべたあい」 なんてセリフからして、何だか子どもみたいで可愛いです。
地獄の様子が、細かく描写されていていいなって思います。
グツグツと煮立つ熱湯に入れられたり、針の山を歩かされたり、火あぶりにされたり、ヘビに体を巻き付けられたり・・・他にもいろいろ。
反対に、天国の何ともまあ優雅な生活なこと♪ お釈迦さまはコーヒー片手に読書を楽しみ、天女?が空を飛んでいたりもします。
地獄と天国の対比が上手に描かれていて、おもしろかったです。
地獄と天国って絶対相容れないイメージがあるけど、この作品では天国の住人が普通にラーメンを地獄まで食べにきているし、閻魔さまも普通にラーメンをふるまっています。 この友好的なムードが良いなって思います。
さて、我が息子。
「そもそも天国とか地獄ってないよねー。あの世は絶対あるけど」
ですって(^^;) 二年生になってだいぶ現実的になってしまい、読み聞かせの時寂しく感じることも多くなってしまいました。
そして、お地蔵さまが激辛ラーメンを食べきった時の息子の一言。
「やっぱり石でできているから、辛さとか感じないんじゃないの〜」
なるほど!!するどいですね。母はそこまで思わなかったから、こんな部分からも、ちゃんと成長しているんだなあって嬉しくなります。
おもしろい作品なので、ぜひいつか小学校でも読みたいと思います。二年生、三年生あたりに読もうかな? (ぷうさんのはちみつさん 30代・ママ 男の子8歳)
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