三ヵ月まえ、弟がやってきた。弟の顔はおさるだった。でもお母さんは弟ばかりかわいがる。それならいいよ、あたしはすてごになって、すてきなおうちにもらわれるから…。家出した女の子が、「すてご仲間」になった犬、ねこ、かめといっしょに大活躍! 小さなお兄ちゃん、お姉ちゃんたちの心をきゅっとつかんだ、人気の幼年童話です。
いとうひろしさんのコメント
子どもの目から赤ちゃんを見たら、かわいくないし、うるさくて臭いし、おさるにしか見えない、というのが正直なところだろう、と思うんですよ。でも、下の子が生まれればすぐに、まわりの大人たちが「かわいいでしょ」とか、「おねえちゃんなんだから」とか言い始める。そこで、「かわいくない」と正直に思ってしまったおねえちゃんが、どうやって、「おねえさんであること」を引き受けていくのか…ということが、描きたかったんです。
赤ちゃんを「かわいくない」と言ったっていいでしょ、という思いもありました。言えないと、つらくなりますからね。でも、言いっぱなしではすまなくて、子どもは、そのかわいくない存在を受け入れていかなくちゃいけないわけです。「弟だと思うと頭にくるけど、サルだ と思えばいっしょにいられる」…というのが、彼女の解決というか、煮つまらないための方法論だったんですね。
身近にも、きょうだいの葛藤というのはいろいろありました。たとえば、私は末っ子なので、自分が生まれたとき、姉はどんな気がしたんだろうな、とか。甥が生まれたとき、おねえちゃんになった姪が、口では「かわいい」と言いながら、冷たーい目で甥を見てた、とか…。
でも、そういうことをモデルにしてすぐ作品を作る、ということは、私の場合、ほとんどありません。「家族の関係」「きょうだいの関係 」ひいては「人間同士の関係」といった、大きな意味でのテーマをずっと考えて、頭の中でころがしているうちに、しだいに一つの作品が形になってくる、という感じです。
「ごきげんなすてご」を作ったときには、まだ自分の子どもはいなかったんですが、親になった今、思うのは、子どもがへんな形で煮つまらないためには、親の役割が大事だな、ということ。子どもの本を作って、子どもの気持ちをずっと考えてきたことが、私個人にとっては 、親になるためのトレーニングでもあったような気がします。 (徳間書店編集部 「ごきげんなすてご」シリーズ取材より)
とまらない♪
全部のページに絵があるから、児童書と絵本の中間くらいの位置づけになるのでしょうか。
ページ数が多いから、ちゃんとしおりの紐も付いていて、紐初体験の息子は気にして触っていました。
「途中まで読んで、これを挟んでおこうね」なんて言っていたのに、結果は、親子共々面白くて最後まで読み切っちゃった!
表紙の絵をみて、「そっかそれでカメがいたのか・・・」とぶつぶつ言ってました。
すてごちゃんと同じ「上の子」の気持ちがわかるはずの息子の感想が、これ。
って照れ隠しだったりするのかな?! (しろくまちゃんのママさん 30代・ママ 男の子5歳、女の子1歳)
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