さあ、はじまりますよ! どこまでも広がる彼の世界。 みんな心してページを開いてね。
「もしもだよ、きみんちのまわりがかわるとしたら…… どれが いい?」
そうして男の子が提示するのは、3つの選択。大水に浸っている家と、大雪にうまっている家と、ジャングルに囲まれている家。うーん、どれも大変なことになっている。ダメダメ、深く考えちゃ。ぱっと選んで、どんどんいきますよ。
「ねえ、どれが いい?」
ジャムだらけになるのと、水をかけられるのと、泥んこになるのと。お城で食事か、気球で朝ごはんか、川でおやつ……これは本当に迷う。どれなら食べられる?どれなら我慢できる?どっちがいや?
どこからこんな想像が生まれてくるのでしょう。考えてもみなかった究極の選択ばかり。だって、ねえ。へびに巻かれるのは嫌だけど、魚に飲まれるのも怖いですよ。……だけど、子どもたちはこんな質問が大好きなのです! 見てください、その夢中になっている顔を。真剣に考えて選ぶその姿を。
作者ジョン・バーニンガムの頭の中は子どもそのもの。「いいな」と「いやだな」のギリギリのところを攻めてくるので降参です。楽しいに決まってますよね。誰と読むか、いつ読むか。そのたびに答えが変わってくるのも大きなポイント? 一人で、二人で、大勢で一緒に。いろんな楽しみ方をしてみてくださいね。
(磯崎園子 絵本ナビ編集長)
「ねえ、どれがいい?」と問いかけながら、次々と繰り出される奇想天外な選択肢。 子どもたちは「どれもイヤ」と言いながら、大喜びであれやこれや悩みます。 30年近く愛され続けてきたベストセラー絵本の〈改訳新版〉。
親子で楽しもう
この絵本は、本当に会話が弾みますね。本を読んでいる時間よりも、話している時間のほうがずっと長い! 子どもの豊かな発想に感動したり、我が子の意外な考えに驚いたり、1ページごとにいろんな楽しみが味わえます。
どれも究極の選択ばかり。「え〜、どれもいや〜!」というのもかなりありました。でも、1つ1つ「いやなわけ」もちゃんと説明してくれて、その答えに納得したり、笑ったり・・・。
―きみんちの まわりが かわるとしたら、―
「『大雪』だと、毎日雪を掘らないといけないでしょ? 穴に落っこちちゃうかもしれないでしょ?
『ジャングル』になって、こんなにたくさん動物がいたら、お世話するのが大変でしょ?」
逆に、大人にとっては、どれも・・・と思うものでも、子どもには楽しい!というものもあり、それがかわいらしくて微笑んだり。
―ジャムだらけになるのとさ、犬に引っぱられて ドロンコになるのとさ、―
「泥んこ! だって、泥んこ 楽しいもん!」
―へびに まかれるのと、魚にのまれるのと、―
「へびに巻かれるの! あったかくて、ぐっすり眠れそうだから。それに、エイ、エイ、エイ、ってやれば(空手チョップのような格好をしながら)、すぐにスルンと出れちゃうもん!」
夢のある楽しい選択もいっぱい。
1つに絞りきれなかったのは、―どれを手伝う?―
「ようせいのまほう。サンタクロースのプレゼントくばりもいいな。でも、ちょっと眠くなっちゃうけどね! 10時過ぎちゃうでしょ? 」
―どこになら住む?―
「金魚ばち! だって1日中泳いでいられて楽しそう。」(私は水が苦手なので、この選択だけは絶対になし!)
「やっぱり、にわとりごやにしようかな? いつでも好きなときに卵が食べれるもん!」
想像するのって本当に楽しい(!)と同時に、親子でもいろいろ違っておもしろい(!)と感じられる1冊です。 (ガーリャさん 40代・ママ 女の子6歳)
|