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絵本紹介
2022.05.09
「のりもの絵本」とかけまして「シリーズ最新刊」と説く、その心は……。どちらも根強い人気に支えられているでしょう。……と、なぞかけから入ってみました。実はこれ、絵本選びに迷ったときに、とっても役立つ2ジャンルなんです。
「子どもにどの絵本を読んだらいいか分からない……」と悩んでいるなら、まずは子どもが好きなもの、例えば、お子さんが乗り物好きなら、乗り物がたくさん出てくるおはなしがおすすめです。
「うちの子、特に好きなものはなくて……」というご家庭には、今まで多くのお子さんの心に刺さり、何冊も新刊が出ているシリーズ絵本がおすすめです。
その助けとなる二巨頭、「のりもの絵本」と「人気シリーズ最新刊」をまとめてご紹介します。
この書籍を作った人
1931年、東京に生まれる。高校卒業後、詩人としてデビュー。1952年に第一詩集『二十億光年の孤独』(創元社)を刊行。以後、詩、絵本、翻訳など幅広く活躍。1975年日本翻訳文化賞、1988年野間児童文芸賞、1993年萩原朔太郎賞を受賞。ほか受賞多数。絵本作品に『ことばあそびうた』(福音館書店)、『マザー・グースのうた』(草思社)、『これはのみのぴこ』(サンリード刊)、『もこもこもこ』(文研出版)、「まり」(クレヨンハウス刊)、「わたし」(福音館書店)、「ことばとかずのえほん」シリーズ(くもん出版)他多数の作品がある。翻訳作品も多数。
この書籍を作った人
1948年静岡県生まれ。絵本や挿画のほか、イラストレーターとしてポスター・壁画・舞台美術などでも活躍。絵本に『あつさのせい?』(福音館書店)や『うみのカラオケ』(クレヨンハウス)ほか、多数。『エンソくん きしゃにのる』(福音館書店)で小学館絵画賞、『やまのディスコ』(架空社)で絵本にっぽん賞、『おばけドライブ』(ビリケン出版)で講談社出版文化賞を受賞。画集やエッセイ『てのひらのほくろ村』(架空社)も。
この書籍を作った人
1974年神奈川県生まれ。東京藝術大学大学院在学中よりフリーランスで活動をはじめる。主な絵本に、『おすしのずかん』『パンのずかん』『ねこのずかん』「へんなえほん」シリーズ(白泉社)、「よこしまくん」シリーズ(偕成社)、『ぼく、あめふりお』(教育画劇)、『チュンとカァのじゃんけんぽん!』(PHP研究所)、『どうぶつまねっこたいそう』(交通新聞社)など多数。
この書籍を作った人
1952年愛知県生まれ。絵本作家。子どものころから絵を描きつづける。色が重なってどろどろになっても描きつづける。10歳で油絵をはじめ、15歳で洋画家・白浜禎吉氏に師事。イラストレーターをへて、40代で絵本の世界へ。主な絵本の作品に、『おばけのムニムニ』(あかね書房)、『ともがき』『子ぐものいのり』(文・久留島武彦/幻冬舎ルネッサンス)、『ながーいでんしゃ』(至光社)、『すごいサーカス』『オナラせんせい』(絵本館)、『つきよのニャロベエ』(論創社)、『ウシくんにのって』(絵本塾出版)など多数。
みどころ
ようこそ、かめのいけのりばへ!
もうすぐ ゆうらんせんが しゅっぱつします。
『つばめこうくう』『ぽっぽこうくう』に続くシリーズ第3弾。空の旅に続く今作は、遊覧船での水上の旅!
友達の家に遊びに行くカエル親子が、池の乗り場で待っていると、やってきたのはカモの親子。
「これより ごじょうせんを かいしいたします。
こそだてちゅうのため、コガモたちも ごいっしょさせていただきます。どうぞよろしく!」
カエルや虫、小さなお客たちがカモの背中にある客席に乗り込むと、船はコガモたちと一緒にゆっくりと川をくだりはじめ、楽しい遊覧船の旅のスタートです。
船の中ではゆっくりと流れる景色を眺めながら食事もできます。
カエルパパは大好きなワインを片手にいい笑顔!
優雅な旅に、ページをめくる手もうっとり。
文章を声に出して読むとのんびりと旅行気分が高まります。
船から見える美しい川沿いの風景は、茶筒のビルに、プランターの花壇の映画館、割り箸の橋(わり橋)などなど、建物や看板の文字まで、ワクワクしたりクスッと笑えるみどころがいっぱい。
遊覧船の船内やすれ違う別の船、小さな生き物たち。隅々まで細かく描き込まれた絵は、じっくり眺めても見飽きることがありません。
今回は、遊覧船のカルガモがコガモ連れという設定なのもたまらないポイント。
旅の途中のコガモたちの様子も観察してみてくださいね。
カエル親子は、目的地に着くまでに、どんな旅の思い出ができるでしょうか。
旅の楽しさが詰まったシリーズ。ぜひ他の作品もあわせて手に取ってみてください。
この書籍を作った人
1985年東京生まれ。武蔵野美術大学デザイン情報学科卒業。絵本ワークショップ「あとさき塾」出身。作品に『つばめこうくう』、『ぽっぽこうくう』、『かるがもゆうらんせん』(すべて佼成出版社)、『しんごうきょうだいのにちようび』(絵本塾出版)、『のりかえでんしゃ』『おでかけくるま』(ともに学研)がある。
みどころ
しかけを使って昔話を新しくアレンジした、きしらまゆこさんの描く「2WAYおはなし絵本」シリーズ。しかけをめくらずに名作を楽しむこともできれば、しかけをめくってサイドストーリーを楽しむこともできる、お得で楽しい人気シリーズです。第7弾は、民話「3つのねがい」をモチーフにしたおはなしです。
「3つのねがい」は、せっかく願い事が叶うのに、鼻にソーセージをつけることをお願いしてしまった夫婦の物語。でも右ページをさらに広げるしかけをめくってみると、実はこの夫婦をかげで見守るねこの夫婦がいて……という、新しいストーリーが登場します。
妖精がねがいごとを3つ叶えてあげると言ったのを、こっそりと聞いていたねこの夫婦。「そばにいたから1つくらいならおねがいがかなうはずにゃ!」と、自分たちも願い事を考え始めます。でも、肝心の人間の夫婦たちは愚かな願い事をしてしまい、ついにはケンカになってしまうのです。それを見ていたねこの夫婦が願った「1つのねがいごと」とは?
今回もクスッと笑える場面がいっぱい。大人もいっしょに楽しめます。ちょっとシュールな原作も、ほのぼのかわいく変身した「もしも」のおはなしも、ぜひ両方楽しんでくださいね。
この書籍を作った人
1954年東京に生まれる。1976年より保父として、各地の保育園などに勤務。手づくりおもちゃ屋(なぞなぞ工房)を主宰。著書に『たからものくらべ』『子どものことを子どもにきく』『朝の連続小説––毎日5分の読みがたり』『のどかで懐かしい〈少年倶楽部〉の笑い話』『用寛さん』『空をとんだポチ』『トレジャーハンター山串団五郎』等。『もしかしたら名探偵』他「ミルキー杉山のあなたも名探偵シリーズ」は読者参加型のミステリー。