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絵本ナビホーム  >  スペシャルコンテンツ  >  インタビュー  >  フランス発のしかけ絵本図鑑! 『動物の見ている世界』編集者インタビュー

───創元社さんは、これまで絵本や児童書を出されていませんでしたよね。この絵本を出版することになったきっかけは何だったのでしょうか?

内貴:弊社はこれまで子どもの本を出していなかったんですが、4年ほど前から『世界で一番美しい元素図鑑』や『親子で学ぶ数学図鑑』など親子で楽しめる本を出版してきました。


昭和初期に出版していた作品を特別に見せてもらいました!


山口:実は、さらにさかのぼると、戦前には子どもの本を出版していた歴史があるんです。今日は当時出版していた一部を持ってきました。

───うわぁー、これはかなり貴重な資料ですね!タイトルや著者名も右からの表記に! 歴史の重みをすごく感じます…。

山口:戦後、児童書からずっと離れていた時期がありましたが、会社としてはいつか、児童書の出版を再開したいという思いを持ち続けていました。今回の『動物の見ている世界』も、弊社社長・矢部が海外から版権を買ってきたんです。

内貴:ある日突然、社長がこの絵本の原書を持ってきて、編集部に感想を聞いて回ったんです。読んでみて、とても面白い作品だったので、編集部でも評判になって、それで社長も出版することを決めたようでした。

───では、満を持して絵本・児童書の出版をスタートされたんですね。お二人はどのような形でこのプロジェクトに関わられたのですか?

山口:社長が直々に編集をするわけにはいきませんから、実際の編集業務は内貴がメインで行うことになりました。


フレッシュな魅力あふれる内貴麻美さん



内貴:
私は新卒で創元社に入って入社2年目の新人なんです。まだ一人で1冊の本を作る経験をしたことがないので、編集に関するアドバイザーとして山口にいろいろフォローをしてもらいました。

山口:私たち2人とも、普段は別のプロジェクトに関わっているので、2人で一緒に作業をするのは、今回の絵本の編集のときだけ。実は即席コンビなんです(笑)。

───即席とは思えないほど、2人とも息ピッタリですね(笑)。内貴さんは初めての絵本の担当、いかがでしたか?

内貴:なかなか新人が絵本の編集に携わることはできないと、山口をはじめ、周りの先輩からいわれて、すごくありがたいな…と思う反面、プレッシャーも感じました。


幅広い編集経験で内貴さんを支える山口泰生さん



山口:
業界的にも関わっている会社や編集者が少ないのが絵本・児童書業界ですから…。彼女じゃなくてもだれが担当しても大変だったと思います。でも、内貴がこの本の編集に抜擢されたのは、絵本を作るセンスがあると社長が感じたからだと思うんですよ。だから、彼女が面白いと思う感覚を大切に、自分なりに考えて作るのが良いと思って、本当に悩んでいるときや、製作上のフォロー以外では、あまり口出ししないようにしました。

───実際の編集作業はどのように進められていったのですか?

内貴:翻訳者の渡辺滋人先生に、原本を渡して翻訳をお願いしました。渡辺先生は学習塾で数学と英語を教えていた先生で、フランス語も堪能な方。原本の持つちょっとユニークな言い回しや、変わった表現を、日本の子どもたちにどうやったら分かりやすく伝わるか、すごく考えてくださいました。

───翻訳の方とのやり取りで、印象に残っているエピソードはありますか?

内貴:原書に「科学と想像力の旅へ」というキャッチフレーズがあるんですが、渡辺先生は「想像力」の部分をすごく打ち出したいと思っていて、言葉のセレクトにかなり心を砕いておられました。

───フクロウの「耳の真ん中に目がある?!」やカエルの「フライドポテトをミミズと間違える」など、文章を読んでいると「え?」と気になったりグッと引き込まれるフレーズが多く、想像力をかき立てられますね。


内貴:この本は小学校高学年以上を対象にしているのですが、原文はかなり専門的な表現も多いんです。それを全部翻訳してしまうと、スペースに入りきらなくなってしまいます…。子どもに楽しんでほしい作品なので「わかりやすさ」「伝わりやすさ」を意識したいと思い、難しい表現をどのくらい簡単にできるか、渡辺先生とやりとりを重ねました。

───特に大変だったエピソードはありますか?

内貴:海外のしかけ絵本は、コストを下げるために印刷を単価の安い外国で一斉に行うことが多いんですが、そのときに文字の入る位置などが厳しく決められていて、日本語版のためだけに、自由にアイコンや文字の位置を変えることができないんです。その制約があったので、なんとか決められたスペースにおさまるように、翻訳文の字数を減らしたり、文字の大きさを調整したりするのに、かなり苦しみました。

───海外で印刷するということは、日本での印刷とはまた違った苦労があるんですね…。これまで意識することなく、翻訳絵本やしかけ絵本を手に取っていたのですが、これからは視点が変わりそうです。初めての絵本の編集をきっかけに、つかんだ手ごたえは、どんなものがありましたか?

内貴:とにかくすべてがはじめての経験だったので、ひとつひとつ考えながら、山口や社長、会社の皆さんに支えられ、ここまでたどり着けたという感じです…。今回の絵本編集を通して、絵本の奥深さを改めて感じたのですが…まだまだ勉強が必要ですね。

山口:創元社で戦後本当に久々に出版する絵本のジャンルに編集者として携われたことがとても感慨深いことだと思います。今はまだ、日本の絵本作家さんとのパイプがあまりなく、翻訳絵本をメインに出版していますが、いずれは、日本の絵本作家さんともお仕事をしていきたいですね。「大阪に、こんなおもろい出版社があるんだ!」と皆さんに思ってもらえるように頑張っていきたいです。

───『動物の見ている世界』を皮切りにスタートした創元社さんの絵本・児童書部門。今後、どのような作品を出版するか、もうご予定はあるのですか?

内貴:2015年にも絵本を出版する予定があります。  


山口:今度も翻訳出版なのですが、『動物の見ている世界』よりさらに子どもを対象にした絵本になります。

───(その絵本の一部をちょっとだけ見せてもらいながら)うわぁ!すご〜くカワイイ作品ですね!『動物の見ている世界』や創元社さんがこれまで出されていた図鑑とはイメージがガラリと変わります。

内貴:探し物絵本とストーリーを合体させたような作品です。スケジュール通り進むと、日本が世界で一番に出版することになりそうなんです。

───それはかなり楽しみ、話題を呼びそうですね! 今後の作品も是非注目していきたいと思います。 最後に、内貴さんと山口さんから改めて、絵本ナビユーザーに新刊『動物の見ている世界』のみどころを教えていただけますか。

内貴:この作品は、科学をベースにしていますが、鮮やかなビジュアルがあり、カタツムリやミミズなど、視力を持たない生き物をあえて紹介するようなユーモアと、ストーリー性を持つ絵本でもあります。視覚についての説明は小学校高学年ぐらいのお子さんに向けたものですが、しかけ部分は就学前の小さいお子さんもめくって楽しんでもらえると思います。フランスならではのオシャレな装丁にもこだわっているので、お部屋のインテリアとして飾っていただくのにもオススメです。

山口:「視覚」という五感のひとつをここまで追求している本としてとても斬新ですし、身近なほ乳類から子ども達が大好きな爬虫類、昆虫まで、幅広い生き物の見える世界を網羅しています。絵本を手に外に出て、載っていない動物の視覚について調べてたり想像してみたり、ご家族でいろいろコミュニケーションを深めるきっかけにも良いと思います。「科学と想像力の旅」へ出発してみてください。


営業担当の水口大介さんと4人で記念写真。

───子どもと一緒に、何度も何度も読み返してみようと思います。今日は本当にありがとうございました。

インタビュー: 竹原雅子 (絵本ナビ編集部) 
文・構成: 木村春子(絵本ナビライター)
撮影:所靖子

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  • ギヨーム・デュプラは古今の宇宙のイメージ・宇宙観を研究しているイラストレーター。10年以上に渡り、科学史・神話・文化人類学・宗教分野から物語や宇宙図を探し求め、収集している。科学と芸術の境界に立って想像力と表現力をもとに、忘れられた宇宙観、正しく理解されていない宇宙像を取り上げ、自ら描きながら、多様な試みを通じて万人向けに紹介している。これまでの4つ著作でその歩みをたどると、まず諸文化の宇宙認識に関する『さまざまな世界、神話と宇宙図』2006、続いて『地球のかたちを哲学する』2008(邦訳は西村書店2010)、3冊目は天に目を向けた『コスモス――天空の歴史』2008。4作目の『動物めがね』では、人間と動物の視覚を比較するという独特の方法を用いて周囲の世界のとらえ方を研究している。近年はアニメーションフィルムのために、世界観の科学史的考証などに関わっている(映画『地球のかたち』2010、『ヤコル、世界の記憶』2012)。2014年には、デュプラの研究とイラストをもとにしたゲーム用のマシーン“コスモトロン”が、ヴォー‐アン‐ヴラン(ローヌ県)のプラネタリウムに設置された。コスモトロンは天地創造をテーマにした幅広い年齢層向けの双方向型ゲーム機。

渡辺 滋人(わたなべしげと)

  • 京都大学文学部仏文科卒。学習塾で小・中・高生に英語・数学などを長年にわたって指導。訳書に『親子で学ぶ数学図鑑』(創元社)などがある。

作品紹介

仕掛絵本図鑑 動物の見ている世界
著:ギヨーム・デュプラ
訳:渡辺 滋人
出版社:創元社
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