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人気作品・注目の新刊をご紹介!絵本ナビプラチナブック

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絵本紹介

2022.09.26

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それは、どこからともなく突然に…… 『戦争が町にやってくる』【NEXTプラチナブック】

絵本ナビがおすすめする「NEXTプラチナブック」(2022年8月選定)から、ご紹介する一冊はこちら!

人びとが楽しく暮らす、うつくしい町・ロンド。ところがある日突然「戦争」がやってきたのです。毎月発売される新作絵本の中から、絵本ナビが自信をもっておすすめする「NEXTプラチナブック」。今回ご紹介する絵本は『戦争が町にやってくる』。ウクライナの作家が子どもたちに向けた描いた、平和と戦争の絵本。どんな内容なのでしょう。

NEXTプラチナブックとは…?

絵本ナビに寄せられたレビュー評価、レビュー数、販売実績など、独自のロジックにより算出された人気ランキングのうち、上位1000作品を「絵本ナビプラチナブック」として選出し、対象作品に「プラチナブックメダル」の目印をつけてご案内しています。

そして、毎月発売される新作絵本の中からも、注目作品を選びたい! そんな方におすすめするのが「NEXTプラチナブック」です。3か月に一度選書会議を行い、「次のプラチナブック」として編集長の磯崎が自信を持って推薦する作品を「NEXTプラチナブックメダル」の目印をつけてご案内します。

それは、どこからともなく突然に…… 『戦争が町にやってくる』

その日、ロンドの町はなにもかも、いつもどおりで

  • 戦争が町にやってくる

    みどころ

    物語の舞台は架空のうつくしい町、ロンド。空気はすみきっていて、住んでいるのも優しくて素敵な人ばかり。風変わりな家を建てたり、花を育てたり、庭や公園の世話をしたり、誰もがロンドの暮らしを楽しんでいます。そして、ロンドの花は歌をうたうことで有名でした。3人の主人公、ダーンカとファビヤンとジールカも、この町を心から愛していました。

    その日、ロンドの町はいつもと変わらず、人びとはいつもどおりの生活をしていました。ダーンカは、ふたりの友だちに会いに、自転車をこいでいました。花も鳥もうたって、なにもかも、いつもどおりで……

    ところが突然。
    戦争が町にやってきたのです。

    地面をゆらし、耳をつんざく音をたてながら、破壊と混乱と暗闇をつれて。そして、おそろしいことに、戦争は、黒い花をつけた、とげのあるかたい雑草を、道に植えていくのです。ダーンカとファビヤンとジールカも、それぞれに傷を負います。戦争は、だれひとり、見逃しません。必死で抵抗しようとするも、全てがむだでした。なぜなら、戦争には心も心臓もないからです。

    そんな中、ダーンカが花たちを守ろうと必死でおこした行動の中に、ある小さな希望を見出します。それは……。

愛する町や日常、そして大切なものが壊される。そんな現実を前にした時、どうしたらいいのでしょう? 厳しいけれど、それが戦争であり、平和ではなくなるということ。戦争は終わっても、傷は残っていくのです。

作者はウクライナを拠点に活動する作家 ロマナ・ロマニーシン&アンドリー・レシヴ。2014年に勃発したロシアのクリミア侵攻とウクライナ東部の戦争を体験し、深いショックを受けたことをきっかけに作られたこの絵本。世界15言語に翻訳出版されています。

「平和とはなにか」「戦争とはどういうことか」。抽象的でポップなイラストで表現しながらも、子どもたちにまっすぐ具体的に伝わってくる物語。親子で話し合うきっかけになればという、切実な思いが込められている一冊です。

編集長のおすすめポイントは……

もとに戻すことはできないけれど

知恵と能力のすべてを使い、戦争に立ち向かうダーンカとファビヤンとジールカの3人。心も形も見えない相手に、わきあがってくるのはきっと無力感。それでも考えること、知恵をしぼること、行動をおこすこと。それらをやめてはいけないのだと、赤いヒナゲシを見ながら思うのです。傷ついた世界をもとに戻すことはできないけれど、花を咲かせようとする気力だけは守っていかなければ。絵本を読みながら、改めて心を奮い立たせるのです。

この書籍を作った人

ロマナ・ロマニーシン&アンドリー・レシヴ

ロマナ・ロマニーシン&アンドリー・レシヴ (ろまなろまにーしん あんどりーれしぶ)

絵本作家、アーティスト。共に1984年生まれ。ウクライナのリヴィウを拠点に活動する。リヴィウ国立美術大学を卒業。アートスタジオAgrafka主宰。2011年、ブラチスラバ世界絵本原画展(BIB)で出版社賞を受賞。本作は2015年に刊行され、ボローニャ・ラガッツィ賞を受賞し、世界15言語に翻訳出版されている。2017年BIB世界絵本原画展金牌を受賞した『目で見てかんじて 世界がみえてくる絵本』、2018年ボローニャ・ラガッツィ賞受賞の『うるさく、しずかに、ひそひそと 音がきこえてくる絵本』(共に、広松由希子訳 河出書房新社)など、世界が注目する新進気鋭のユニット。

この書籍を作った人

金原 瑞人

金原 瑞人 (かねはらみずひと)

翻訳家・法政大学教授 1954年岡山市生まれ。訳書は児童書、ヤングアダルト小説、一般書、ノンフィクションなど550点以上。訳書にマコーリアン『不思議を売る男』、シアラー『青空のむこう』、グリーン『さよならを待つふたりのために』、ヴォネガット『国のない男』、モーム『月と六ペンス』、クールマン『リンドバーグ 空飛ぶネズミの大冒険』、サリンジャー『このサンドイッチ、マヨネーズ忘れてる ハプワース16、1924年』など。エッセイ集に『サリンジャーにマティーニを教わった』、日本の古典の翻案に『雨月物語』『仮名手本忠臣蔵』など。

磯崎 園子(いそざき そのこ)

絵本情報サイト「絵本ナビ」編集長として、絵本ナビコンテンツページの企画制作・インタビューなどを行っている。大手書店の絵本担当という前職の経験と、自身の子育て経験を活かし、絵本ナビのサイト内だけではなく新聞・雑誌・テレビ・インターネット等の各種メディアで「子育て」「絵本」をキーワードとした情報を発信している。著書に『ママの心に寄りそう絵本たち』(自由国民社)がある。

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