となりのトトロ となりのトトロ
原作: 宮崎 駿  出版社: 徳間書店 徳間書店の特集ページがあります!
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セルフビルドした自宅に作った「ジェリーの穴」が、絵本のきっかけ?

───「トムとジェリー」といえば、テレビアニメや映画で夢中になった子どももたくさんいると思います。『トムとジェリーをさがせ! びっくりタウンはおおさわぎ』は、アメリカで出版された絵本の翻訳版ではなく、まつやまたかしさんが、一から作り上げたオリジナルの探し絵絵本ですよね。この絵本を作ることになったきっかけを教えてください。

ぼく自身、世界中で愛されている、トムとジェリーのキャラクターを描けるとは思っていませんでした。そもそものきっかけは、我が家にある「ジェリーの穴」なんです。

───「ジェリーの穴」というと……?

我が家は、ぼくがアメリカンなライフスタイルが好きで、「2×4工法(ツーバイフォー工法)」という建築方法で家をセルフビルドしたんです。そのとき、どこかの壁に「トムとジェリー」に出てくる「ジェリーの穴」を作りたくて、居間の壁に穴をあけて再現しました。その様子を自身のブログや著書『自分で建てた憧れのアメリカンハウス』(山海堂)の中で紹介したところ、今回の絵本の編集者さんの目に留まり、「トムとジェリーの絵本を作りませんか?」と声をかけていただきました。


「ジェリーの穴」を作るときの試行錯誤の様子。

───まさに、「ジェリーの穴」からつながった縁なのですね。編集者さんとの打ち合わせのときから、絵本の内容は、探し絵絵本だったのですか?

そうです。「トムとジェリー」のキャラクターがページいっぱいに登場する楽しい絵本が作りたいと、描き手を探していたようでした。ぼくはもともと、建物や車がたくさん登場するイラストを得意としていたので、まさにうってつけだったようで、編集者さんと打ち合わせをして、とんとん拍子で絵本を作る話が進んだのです。

───「びっくりタウンの交差点」や「大サーカス」など11の場面の隅々までイラストが描き込まれていて、見ごたえ抜群ですよね! でもこの絵を描くのはとても大変だったのではないですか?

一番大変だったのは、スケジュールでした。打ち合わせをしたのが2015年の1月で、その年の11月には出版したいといわれたんです。ちょうど4月まで別の仕事の締め切りがあったため、4月から描きはじめて、4か月半で全ページを描き切りました。

───4か月半で、このボリュームのイラストを描き上げたのですか?!

はい。依頼を受けた当初は、とてもじゃないけれど、年内に仕上げるのは無理だとお伝えしたのですが、次第にワーナー・ブラザーズ公認で「トムとジェリー」が描ける機会なんてめったにないと思って、腹を決めました(笑)。それでも、こんな短時間でこれほどたくさんの絵を描いたことはなかったので、締め切りまでに描き上げることができるか、最後まで不安でしたね。

───実際にどのようなやり取りがあって、絵本の制作が進んでいったのでしょうか?

絵本に登場する場面設定や、ページ構成は編集者さんが考えてくれました。……というのも、編集者さんが大の「トムとジェリー」マニアで、すべての作品を隅々まで熟知していたんです。編集者さんが送ってくれた「トムとジェリー」の名場面やマニアなら必ず知っているネタなどの資料を片っ端から見て、絵の中に再現していきました。


サーカスの場面のラフ画を見せていただきました。

───こんなに細かく描き込んでいるんですね! ラフを描くだけでもとても大変そうです。

ずっと机に向かって作業をするのはとても疲れるので、ラフを描くときは、美術用の画板に紙を貼って描いています。そうすると、机じゃなくてもソファだったり、お気に入りの場所で作業をすることができるので、気分転換にもなるんです。机に向かって作業を行うのは、ラフが完成して、線画や着色など、パソコンで制作をする段階からですね。

───編集者さんからは、ラフを見て修正が入ったりするのですか?

そうですね。今回、特に「トムとジェリー」の舞台やキャラクター、構図について、いろいろ要望がありました。でも、一番多かったのは、キャラクターをにぎやかに描き込むだけでなく、次のページとストーリーがつながっているようにしてほしいということでした。例えば、お母さんの後をいつもついて歩くアヒルの兄弟は、どのページにもいて、必ず一緒に何かをしていたり、何でもつついて壊してしまうキツツキの赤ちゃんがどこにいるか探すことができたり……。こういう、ページをまたいで、おはなしを作っていく作業も、普段、雑誌などでイラストを描いているときにはない作業だったのでとても大変でしたが、やりがいを感じましたね。


各ページに登場する、アヒルの兄弟。

───絵を描く中で、まつやまさんが一番、気分が盛り上がるのは、どの作業をしているときですか?

やはり、色をつける作業ですね。パソコンを使っているので、色はマウスでカチカチっとクリックすればぬれてしまうんです。黒一色の線画にパッとカラフルな色が入っていく瞬間は、今までの苦労が報われますね。

───色ぬりも、かなり細かい作業のように思いました。どこにどんな色をつけるかは、線画を描いているときにすでに決まっているのですか?

検討はついてますね。例えば「スポーツ広場」だったら、トラックの茶色や、観客席のオレンジ、壁の白、プールとテニスコートの青など、決まっている色をぬります。そのあと、キャラクターの定番カラーをぬっていくと、大体全体のバランスが見えてきます。あとは、周りの色に合わせて、ユニフォームや旗など、細かいところを彩色していく。全体を見ながら、色の偏りがないよう、バランスをとっていくのが一番のポイントです。


スポーツ広場

───「デパート」では階ごとにベースカラーが変わっていたり、「スーパーマーケット」では、床の色が、白とブルーの二色になっていたり……。端々にまつやまさんのこだわりを感じました。

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まつやまたかし

  • 1957年生まれ。岐阜県在住。著書に「自分で建てたあこがれのアメリカンハウス」(山海堂)、「MOTOR PANIC」(架空社)。鳥山明氏の二代目アシスタントという経歴を持つ。セルフビルドしたアメリカンハウスには、”ジェリーの穴”がある。

作品紹介

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