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美しいイラストで描いた心に残る絵本

絵本ナビホーム  >  スペシャルコンテンツ  >  インタビュー  >  と〜ってもロングな絵本が登場!『はしれ! こうそくどうろ』モリナガ・ヨウさんインタビュー

中日本高速道路株式会社さんから連絡をいただいて、絵本の制作がスタートしました。

───車の絵本はたくさんありますが、高速道路にスポットを当てた絵本は今までにないように思います。この絵本はどのような経緯で制作がスタートしたのですか?

実は、中日本高速道路さんからご連絡をいただいて、この高速道路の絵本を作ることになったんです。

───中日本高速道路株式会社は、関東や東海、関西、さらに北陸方面までつながる高速道路の設備管理やサービスエリア・パーキングエリアの運営を行っている会社ですね。

そうです。『はしれ! こうそくどうろ』は、車に乗ってサービスエリアなどに来た子どもたちに手に取ってもらい、高速道路のことをもっと知ってもらうことを目的に企画がスタートしました。

───……ということは、サービスエリアでも販売されているのですか?

はい。中日本の高速道路限定ではありますが、サービスエリアでは書店で売っているものとは色の違う帯を巻いて、販売されているそうです。

───サービスエリアで売っているなんて、すごいですね。絵本を見てまず驚くのが、じゃばら製本がされていて、全部のばすと、2m60cmにもなるということ! 

ビックリしますよね。きっと、皆さんが想像しているよりも長いと思います。

───じゃばら絵本にするという案は中日本高速道路株式会社さんから提案されたのですか?

いいえ。これは編集者さんのアイディアなんです。自分は見開きのパノラマ絵はよく描きますが、こんな長い絵巻みたいものは初めてでしたが「やりましょう!」と乗っかりました(笑)。

───ページを左側に延ばすと「パタパタえほん」になって、右側に延ばすと「こうそくどうろのヒミツ」に変わる、1冊で2つの楽しみ方があるなんて、とっても贅沢! しかも、実際に現場に足を運んで取材をされているんですよね。

そうですね。今までも結構現場に足を運んで、ルポ的に作品を作ることが多かったので、今回も、「料金所」や「道路管制センター」などは実際に取材させていただきました。

───やっぱり! 情報の密度がとても多くて読み応えがありました。

ただ、高速道路そのものの取材は、中日本高速道路の担当者さんに車を運転してもらって、高速道路をただ走るという感じでした。

───途中で止まってガードレールやトンネルの中を見せてもらったりはできなかったんですか?

ぼくもそれができると思っていたのですが、危険だからと降ろしてもらえませんでした。取材では見られなかった部分は中日本高速道路さんから資料をもらったり、家族で高速に乗ったとき、子どもたちに撮影をお願いしたりしました。大渋滞すると撮影には大変助かります(笑)。それでも分からないところは、googleのストリートビューなどで確認しました。

───いろいろなものを使って、資料を集められたのですね。実際に取材を行ったことで、発見があったところはどこですか?

ぼくもよく高速道路を使うのですが、使っていても知らないことって結構あるんだなというのが分かりました。「料金所」の中の様子とか、「道路管制センター」が24時間高速道路を監視していることとか……。特に「道路管制センター」は渋滞が起きるとすぐに情報が伝わって、渋滞の距離や緩和までの時間がパッと分かるのがすごいなと思いました。


「B道路管制センターのひみつ」

───普段、車に乗って高速を走っていて、渋滞に巻き込まれたときは、「本当に30分で渋滞を抜けられるの? ずっと止まっているように感じる……」なんて、文句を言ってしまうこともありますが、実はすごく計算された数値が出ているんですね。

そうなんです。たとえ、高速道路が渋滞していても、この『はしれ! こうそくどうろ』があれば、車内で退屈することはないと思うので、オススメです(笑)。

───たしかに! これを読んでいれば渋滞での子どもたちの退屈も解消されますね。ほかに取材での発見はありましたか?

実際に足を運べた「料金所」では発見も多かったですね。入り口が引き戸になっていることや、料金所にいる人は常に立って仕事をしていることも取材をする前は知らなかったですから。

───今はETCレーンも増えてきていますけれど、有人レーンの機械がいっぱいある感じがとてもワクワクします。それと、高速道路の安全を守る「交通管理隊」の仕事も、この絵本ではじめて知りました。

ぼくも、取材をして知ったことですが、実際に三車線の高速道路を模した場所でトレーニングを行っているそうです。旗振りの合図にも意味があるというのも面白いですよね。


「C高速道路をまもる」

───「トレーニングは 欠かしません!」という言葉通り、ハードな仕事なんですね。モリナガさんが描く隊員の顔も、どことなく凛々しい感じがします。「パタパタえほん」は、「こうそくどうろのヒミツ」と違った構成で、少しストーリー仕立てになっていますね。

男の子とお父さんの乗った赤い車をメインにすることで、高速道路を移動している様子を見てもらえるのではないかと思って、こういう構成を考えました。

───「ゼブラゾーン」や「インタチェーンジ入り口標識」など、「こうそくどうろのヒミツ」と同じくらい、さまざまな道具が描かれていて見ごたえがありました。

子どもって、細かいところもしっかりと見てくれるじゃないですか。なので、できるだけ忠実に、分かりやすく描きたいと思いました。

───車を走らせていると、高速バスの停留所があったり、トンネルを抜けると海が広がる……。高速道路の旅の行程も楽しめますね。

本当はもっといろいろドラマを持たせたかったのですが、実際に描いてみるとあまりたくさん要素は入れられないぞと思って。それでも、料金所を抜けて、高速バスの停留所を描いて、トンネルを抜けて、渋滞があって、ジャンクションがある……。結構描き込んだつもりです。

───よーく見ると、車に乗っている人たちの中にもドラマがあるように思えました。

そうですね。ここは個人的な遊びも含めつつ、楽しみながら描きました。

───トンネルに入ったときはにぎやかだったバスの中が、トンネルから出るとみんな眠っていたり、大きなクマのぬいぐるみを乗せている車がサービスエリアの中に入っていったり、ひとつひとつの車の動きを見ているだけで楽しいです。そして、モリナガさんも登場していますね。

はい。「跨高速道路橋」のところですね。もともとここには子どもを描いていたのですが、フェンスが大人の身長より高いそうなので、子どもでは下を見ることができないと指摘が入ったんです。それで、「こうそくどうろのヒミツ」とリンクできたらと思い、自分自身のキャラクターを登場させました。


トンネル前(左)と、トンネル後(右)。トンネルを抜けたら、みんな眠ってしまいました。

───ほかの絵本にもときどきモリナガさんご自身が登場していますが、実際にお会いすると、ご本人と絵がそっくりで、さすがイラストレーターさんと思いました(笑)。ほかにも指摘が入った部分はあるのですか?

看板の文字や、道路標識、トンネル内の様子などいろいろなところにチェックが入りましたね。標識板の表示もどのくらいの間隔で表示されるか決まっているそうなんです。その部分も何度か修正を重ねましたね。

───帯の部分の赤い自動車とハイウェイパトロールカーが切り抜けるようになっています。これを使って「パタパタえほん」の中を走れるというアイディア、面白いと思いました。

ありがとうございます。もちろん、絵本についている車じゃなくても、ミニカーサイズくらいの車なら走らせて遊ぶことができます。実際に友だちの小さい子どもにプレゼントしたら、自前のミニカーを持ってきて、高速道路を走らせていました。「やった!」って嬉しくなりましたね。

───自分のミニカーを走らせたくなるほど、この絵本の世界に夢中になってしまったんですね。表紙も一目で「高速道路の絵本だ!」と分かるデザインだと思いました。

表紙はいろいろ悩みましたね。実際にはこんな道路はないんですが、思い切って目を惹くデザインにすると決めました。タイトルもこのときまでただの『こうそくどうろ』だったのですが、編集者の方がデザインを見て「“はしれ!”っていれるのはどうですか?」と提案してくださったんです。

───「はしれ!」と入るだけで、タイトルに躍動感がプラスされたように感じますね。


表紙ラフ(右)と並べてみました。

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モリナガ・ヨウ

  • 1966年生まれ、早稲田大学漫画研究会出身。イラスト、マンガで雑誌を中心に活動。立体作品も手掛け、「空想科学読本」シリーズ(メディアファクトリー)の表紙オブジェを担当。2007年総務庁委託研究「秋葉原不思議交流空間」のキャラクターデザインを担当。著書に『ワールドタンクミュージアム図鑑』、『あら、カナちゃん!』、『35分の1スケールの迷宮物語』(第8回メディア芸術祭マンガ部門ノミネート作品)、『東京右往左往』(以上、大日本絵画)、『図録・王立科学博物館』(共著・三才ブックス)、『働く車大全集』(アスペクト)がある。

作品紹介

パタパタ絵本 はしれ!こうそくどうろ
作:モリナガ・ヨウ
出版社:ほるぷ出版
全ページためしよみ
年齢別絵本セット