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作: ますだ ゆうこ 絵: たちもと みちこ  出版社: 文溪堂 文溪堂の特集ページがあります!
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絵本ナビホーム  >  スペシャルコンテンツ  >  インタビュー  >  真夜中を過ぎると、別のお店に変わる ふしぎな洋服屋『よるのようふくやさん』穂高順也さん 寺島ゆかさんインタビュー

三日月が、このシリーズのキーアイテムだと思って描きました。

───「よるのようふくやさん」に洋服を求めに来るお客さんは、ニワトリに「ねこにおそわれても、へいきなようふく」を着せたいと思っているおじさんや、「どろぼうするときだけ くろくなって しかも、かべを よじのぼるのに べんりな ようふく」を求める泥棒など、ふしぎなお客が、ふしぎな依頼をします。
お客さんと「よるのようふくやさん」のやり取りがとても面白いのですが、「よるのようふくやさん」が薦める洋服は、生き物なのでしょうか? それとも、洋服なのでしょうか?

穂高:どちらだと思いますか?

───私は、これは生き物だと思って読んでいました。

穂高:生きているのか、洋服なのか……。それは、読者の方にご自由に楽しんでいただければいいと思って、どちらとも解釈できるように書いています。


ふしぎな洋服たちは、生き物なのか……。

───洋服をお客さんに渡すときは、どれも洋服のように見えるんですよね。でも、泥棒を捕まえたときの「タコぼうし」が仲良く手を取り合っているように見えたり、おむすびを100個食べた後の「カバかばん」がとても満足そうに見える……。
生き物なのか、そうじゃないのかを想像するのも楽しいです。ラフ画を見て、穂高さんから、寺島さんにリクエストなどはあったのでしょうか?

寺島:穂高さんの原稿の最後に、小さく「あまりグロくならないように描いて頂けたら幸いです」という走り書きがしてあったんです。それを読んだ時、「自覚がおありなんだな」とくすっとさせられて、同時に「自分はこう描いているけど、もっと良く描いてくれたら嬉しいです」と言われた気がしたので、「よーし、それなら!」と挑戦する気になったのを覚えています。
ただ、やはり生き物が生き物に呑み込まれたりするので、課題として、洋服側とその洋服を使う側、どちらもハッピーに見える方法というものをずっと考えていた気がします。

穂高:おはなしの中に、タコやカエルが出てきますよね。グロテスクに描こうと思ったら、いくらでもグロテスクになるんです。なので、注意書きを残したんだと思います。
ラフを見てぼくが気になったところは、「よるのようふくやさん」が「ひるのようふくやさん」に比べて、ちょっとインパクトが薄いかなということでした。

───たしかに、「ひるのようふくやさん」はヒョウ柄の洋服にアクセサリーも大きく、派手な印象があります。でも、「よるのようふくやさん」も美人だけど少し怪しげな雰囲気が出ているように思いました。

寺島:そうですね。「よるのようふくやさん」の顔は、穂高さんのタイプじゃないと聞いて、かなり変更しました(笑)。

───「よるのようふくやさん」の三日月型のネックレスが、「ひるのようふくやさん」の太陽型のイヤリングと対比されているように感じて、印象深かったです。

寺島:月をモチーフにしたのは、『よるのさかなやさん』を見たときに、山口マオさんの描く月がとても印象に残っていて、この作品にも引き継ぎたいと思ったからなんです。文章の中には、月のことはどこにも出てこないのですが、私の中ではこの月が「よるの…」シリーズの要、夜に起こるふしぎなことは、すべて月が影響しているという解釈なんです。なので、この三日月は、『よるのようふくやさん』でもしっかり描いていこうと思いました。


物語を静かに見守る、お月さま。

───同じ月の下に「魚屋さん」も「洋服屋さん」もあって、月の力で、魚たちが動き出したり、怪しげな洋服屋さんに変化したりという解釈はすごく面白いですね。

穂高:ぼくはそこまで絵で表現してもらえるとは思わなかったので、今、寺島さんの解釈を聞いて、そういう考えもあるんだと感心しました。

───穂高さんが特に好きな場面はどこですか?

穂高:ぼくは「タコぼうし」が好きかな。原稿の中にも絵を入れているんですが、天井にへばりつくという発想は自分の中にはなかったので、意外でした。


タコぼうしのラフ(右)と、完成版。

───お店にやってくるいろいろなお客の要望を聞き、ピッタリの洋服をオススメする「よるのようふくやさん」ですが、ラストの展開がまたビックリ!
これはぜひ、おはなしを読んで楽しんでほしいところですよね。

穂高:ここで言ってしまうと、ネタバレになってしまいますから(笑)。でも、最後のオチのつけ方は自分でも気に入っていますね。

寺島:最初のラフは、違ったのですが、穂高さんからアイディアをいただいて、今の形に変更しました。

穂高:そうでしたっけ?

寺島:そうですよ。たしか最初のラフ、ペリカンと一緒に飛んでいってしまったニワトリが戻ってくるという場面だったんです。

穂高:そうか。それよりも、「ひるのようふくやさん」の中の様子があった方が良いと思って、このページに差し替えたんですね。

寺島:はい。そうしたら、穂高さんがとってもピッタリのセリフを加えてくださって。おかげでラストがグッと引き締まったと思います。

───読者の方には、ぜひ最後まで読んでほしいですね。


よく見ると、最初の場面と微妙に違っているのです。

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穂高順也(ほたかじゅんや)

  • 愛知県生まれ。作品に『さるのせんせいとへびのかんごふさん』(ビリケン出版)、『どどのろう』(岩崎書店)、『どろぼうだっそうだいさくせん』(偕成社)、『とうさんとうさんいかがなものか?』(あかね書房)、『なきんぼあかちゃん』(大日本図書)、『よるのさかなやさん』【文溪堂)など。 日本児童文芸家協会理事。

寺島ゆか(てらしまゆか)

  • 宮城県生まれ。 社会人経験を経てニューヨークのシラキュス大学でイラストレーションを学ぶ。 絵本に『もうママったら!』『マンドリルおじさんのおなら』(共に文溪堂)がある。

作品紹介

よるのようふくやさん
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文:穂高 順也
絵:寺島 ゆか
出版社:文溪堂
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