ねこと わすれんぼの おばあちゃん
- 作:
- イエン・ジーハオ
- 絵:
- シュエ・ホイイン
- 訳:
- 林 木林
- 出版社:
- パイ インターナショナル
絵本紹介
2026.04.07
ねこが大好きだったおじいちゃんを亡くしてから、すっかりねこが嫌いになったおばあちゃん。それでもねこたちは……。毎月発売される新作絵本の中から、絵本ナビが自信をもっておすすめする「NEXTプラチナブック」。今回ご紹介する絵本は『ねこと わすれんぼの おばあちゃん』。台湾から届いた心あたたまる物語。どんな内容なのでしょう。
NEXTプラチナブックとは…?
絵本ナビに寄せられたレビュー評価、レビュー数、販売実績など、独自のロジックにより算出された人気ランキングのうち、上位1000作品を「絵本ナビプラチナブック」として選出し、対象作品に「プラチナブックメダル」の目印をつけてご案内しています。
そして、毎月発売される新作絵本の中からも、注目作品を選びたい! そんな方におすすめするのが「NEXTプラチナブック」です。3か月に一度選書会議を行い、「次のプラチナブック」として編集長の磯崎が自信を持って推薦する作品を「NEXTプラチナブックメダル」の目印をつけてご案内します。
ねこが嫌いなおばあちゃん。夜になるとおばあちゃんは起きて、ねこを追い払います。けれど、おばあちゃんが眠っている間に、ねこたちは窓からするするっと入ってきます。
年齢を重ねていくにつれ、少しずつ失くしていく大切な記憶。憎しみや悲しみも忘れ、穏やかな表情を浮かべながらねこたちとのんびり暮らすおばあちゃんでしたが、たった一つ忘れられないことがあったのです。それは……。
「ねこが嫌い」と言いながら、画面の中にはおばあちゃんを優しく見守り、かいがいしく世話を焼くねこたちがいっぱい登場するこの絵本。愛らしくユーモラスに描かれる絵は見ているだけで可笑しくて、心が明るく前向きになっていきます。
たとえ全てを忘れても、心に残るものがあるのなら、年を取るのも悪くない。そんな風に思わせてくれる、台湾発の心あたたまる物語です。
忘れてしまったとしても
おばあちゃんにとって大切なのは、おじいちゃんはねこが大好きだったという事実。たとえ自分はねこが嫌いだったとしても、ねこを可愛がるおじいちゃんのことは大好きだったのでしょう。言葉や態度には出なくても、おばあちゃんとねこたちの間には、愛情という深いつながりがあったのです。記憶がなくなっていくことは、切なく不安なことだけれど、それでも何かが残っている。その何かで幸せや喜びを感じることができる。だからこそ、このお話は年老いていく本人だけでなく、寄り添っていく周りの人の心をもあたためてくれるのです。
この書籍を作った人
台湾国立台東大学児童文学博士。地球のあちこちで星を探し続ける人。
この書籍を作った人
イラストレーターであり、絵本愛好家でもある。2021 年イタリア・ボローニャ国際絵本原画展入選。
磯崎 園子(いそざき そのこ)
絵本情報サイト「絵本ナビ」編集長。著書に『はじめての絵本 赤ちゃんから大人まで』(ほるぷ出版)、『ママの心に寄りそう絵本たち』(自由国民社)、監修に『父母&保育園の先生おすすめの赤ちゃん絵本200冊』『父母&保育園の先生おすすめのシリーズ絵本200冊』(玄光社)がある。