こども六法 第2版
- 著:
- 山崎 聡一郎
- 絵:
- 伊藤ハムスター
- 出版社:
- 弘文堂
インタビュー
2026.06.24
友だち関係の悩みやいじめ、虐待など、子どもたちが直面する問題を「法律」の知識を元に、分かりやすい文章と親しみやすいイラストで解説した『こども六法』。2019年に出版されるや否や、数多くのメディアで紹介され、家庭の本棚や図書室、児童館、学童など子どもが日常的に過ごす場所に必ず置かれるベストセラーとなりました。そして2024年、『こども六法 第2版』が出版されました。
「第2版って、最初の『こども六法』と何が違うの?」そう疑問に思う読者の声を受けて、著者の山崎聡一郎さんに『こども六法 第2版』のみどころ、特に変わったところを教えてもらいました。
まずは動画インタビューをご覧ください。
インタビューの中で山崎さんが語っているように、法律は時代に合わせてどんどん内容が新しくなるため、2019年出版の『こども六法』に掲載されている法律が現在では使われていないものもあるのだそう!
『こども六法 第2版』では、2019年から2024年にかけて変更された法律を追加。子どもたち自身に関わる大事な法律についても新たに掲載しています。
2024年4月に施行された「こども基本法」。『こども六法 第2版』では、「こども基本法」のポイントを親しみやすいイラストと文章で分かりやすく紹介しています。
「刑法」「刑事訴訟法」の章では、「性的同意年齢の引き上げ」や「不同意わいせつ罪」「不同意性交等罪」への改正、「拘禁刑の新設」など、子どもにも密接に関わる法改正を反映。最新の法律に則した内容を分かりやすく解説しています。
今もなお子どもたちの深刻な問題となっている「いじめ」。「第8章 いじめ防止対策推進法」では法律の知識だけでなく「いじめで悩んでいるきみに」という項目で、いじめを受けている子どもたちへ大人を頼ってほしいというメッセージや相談できる窓口についても紹介しています。
著者の山崎聡一郎さんは教育研究者だけでなく、ミュージカル俳優として劇団四季「ノートルダムの鐘」への出演経験もあるという異色の経歴の持ち主。そんな山崎さんがなぜ『こども六法』を手掛けることになったのか……。それは、小学校高学年の時に経験した壮絶な「いじめ」が根底にあるそうです。
ぼくが『六法全書』と出会ったのは中学1年生の時、その時はじめて、自分が受けていたいじめが犯罪であって、罰が与えられるものだということを知りました。同時に「名誉棄損」や「侮辱罪」は被害者が告訴しないと罪を問うことができないことも『六法全書』には書いてありました。つまり、小学生のぼくが声をあげなかったから、大人たちに守ってもらうことができなかった……。法律を知らなっかったからなんだ……とショックを受けました。
そこから山崎さんは法律について学びはじめ、大学生のときに『こども六法』のプロトタイプを制作しました。
『こども六法』プロトタイプが完成しても、本の出版に至るまでには様々な困難がありました。しかし、本を支持し、クラウドファンディングなど出版化に向けて様々な働きかけをしてくれる仲間との出会いを経て、2019年『こども六法』は出版されました。
発売後すぐに「学校にこの本を置いてほしい」「大人も読むべき」など賛同の声が広がり、各メディアでも大きな反響を呼びました。そして2024年に『こども六法 第2版』が出版。『こども六法』には最新の法律を網羅した『こども六法 第2版』をお子さんに手渡してほしいと山崎さんは言います。
しかし、親御さんの中には「『こども六法』を子どもにどのタイミングで渡したらいいのか分からない」という方もいらっしゃると思います。山崎さんはそんな大人の方に向けてこう伝えてくれています。
『こども六法 第2版』は法律に関する「辞書」なので、あえて手渡すというよりも本棚に常に並んでいて、テレビで知らない法律の情報が出てきたとき手に取ってみたり、学校でトラブルがあったときに「これって法律ではどうなっているのかな?」と調べてみるなど、気になったときにさっと手に取れる環境を作るイメージで、お家に迎えていただけると嬉しいです。
『こども六法 第2版』発売から2年。2026年8月に姉妹版となる『こども道路交通法』が発売されることが決まりました。実は山崎さんが『こども六法』のプロトタイプを作ったとき、第一章は「刑法」ではなく「道路交通法」だったのだそう。
『こども道路交通法』では、法律の内容はもちろん、新たに過去の交通事故の判例を掲載。「道路交通法」のことをより理解しやすい内容になっています。
2026年4月に「改正道路交通法」が施行され、16歳以上にも「交通反則通告制度(青切符)」が導入されました。園への送り迎えに自転車を利用している親御さんや、学校や塾へ行くときに自転車を使っているお子さんの「これって罰則になるの?」という疑問に答えてくれる心強い一冊です。
1993年生まれ。教育研究者、ミュージカル俳優、写真家。株式会社 Art & Arts社長。埼玉県立熊谷高等学校、慶應義塾大学総合政策学部、一橋大学大学院社会学研究科修了、東京大学大学院学際情報学府在学中。修士(社会学・学際情報学)。
2013年より「法教育といじめ問題解決」をテーマに研究活動と情報発信を行う。劇団四季「ノートルダムの鐘」に出演するなど、ミュージカル俳優としての顔も持つ。