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絵本ナビホーム  >  スペシャルコンテンツ  >  インタビュー  >  谷川俊太郎×堀内誠一の新作絵本『ちちんぷいぷい』インタビュー 編集・紀本直美さん

連載

堀内誠一さん生誕90周年連載 50年の時を超えた合作・谷川俊太郎×堀内誠一『ちちんぷいぷい』

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インタビュー

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2021.10.21

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谷川俊太郎×堀内誠一の新作絵本『ちちんぷいぷい』インタビュー 編集・紀本直美さん

50年ぶりに発見された堀内誠一さんの原画に、詩人・谷川俊太郎さんが文をつけた新作絵本『ちちんぷいぷい』が、堀内誠一さん生誕90周年を目前に控えた2021年に、発売を迎えました!

そこで、堀内さんの原画が発見されてから『ちちんぷいぷい』という絵本になるまでの経緯を編集の紀本直美さんに語っていただきました。

  • ちちんぷいぷい

    出版社からの内容紹介

    『ぐるんぱのようちえん』『たろうのおでかけ』(いずれも福音館書店刊)の画家で、没後34年のいまも人気の絵本作家の堀内誠一。グラフィックデザイナーとしての仕事も含めて、昔を知っている人も、新たに堀内誠一について知る人も、どちらの心も捉え続けています。
    2022年は堀内誠一の生誕90周年にあたります。堀内誠一の仕事に再び光をあてる展覧会の準備のなかで、単行本として刊行されていない原画が見つかりました。
    たくさん残された原画のなかから、子どもたちに新刊としてお届けしたいきつねがいました。きつねは、「ちちんぷいぷい」とおまじないを自分の帽子にかけて、動物の子どもたちを楽しませていたのです。
    原画に、詩人の谷川俊太郎が文章を書き下ろし、素敵な絵本が出来上がりました。リズムよい言葉に導かれてページをめくりながら、絵を読み解く楽しさを味わえる一冊です。

この書籍を作った人

堀内 誠一

堀内 誠一 (ほりうちせいいち)

1932年東京生まれ。グラフィックデザイナー、絵本作家。主な絵本作品に『くろうまブランキー』『くるまはいくつ』『たろうのおでかけ』『ぐるんぱのようちえん』『こすずめのぼうけん』『ちのはなし』(以上福音館書店)、『おひさまがいっぱい』(童心社)、『かにこちゃん』「ことばとかずのえほん」シリーズ(くもん出版)、『マザー・グースのうた』(草思社)など多数。また著書に『父の時代 私の時代』(マガジンハウス)、編著書に『絵本の世界・110人のイラストレーター』など。1987年没。

この書籍を作った人

谷川 俊太郎

谷川 俊太郎 (たにかわしゅんたろう)

1931年、東京に生まれる。高校卒業後、詩人としてデビュー。1952年に第一詩集『二十億光年の孤独』(創元社)を刊行。以後、詩、絵本、翻訳など幅広く活躍。1975年日本翻訳文化賞、1988年野間児童文芸賞、1993年萩原朔太郎賞を受賞。ほか受賞多数。絵本作品に『ことばあそびうた』(福音館書店)、『マザー・グースのうた』(草思社)、『これはのみのぴこ』(サンリード刊)、『もこもこもこ』(文研出版)、「まり」(クレヨンハウス刊)、「わたし」(福音館書店)、「ことばとかずのえほん」シリーズ(くもん出版)他多数の作品がある。翻訳作品も多数。

一目見て「いける!」と感じた原画の力

─── 堀内誠一さんは、「ことばのえほん」シリーズや『かにこちゃん』(くもん出版)、『ぐるんぱのようちえん』や『ロボット・カミイ』(共に福音館書店)など、世代を超え、たくさんの子どもたちに愛されている数々の絵本や児童書を生み出しています。またグラフィックデザイナー、イラストレーターとしても活躍なさっていて、かなりの数の作品を遺されていますが、50年ぶりに発見されたという絵はどんなものだったのでしょうか?

原画は、2022年に開催を予定している展覧会の準備の中で発見されたものの一部なんです。堀内先生の仕事は多岐に渡っていて、堀内家には単行本化されていないイラストもたくさんあって。それをご家族や図書館司書の方が、出典を調べて整理されていたんです。この原画は、1枚目に「ちちんぷいぷい ぱっ」と書かれているだけで、「なにかの雑誌に数ページ掲載されたのだろう」ということしかわからなかったそうなんです。

─── そうだったんですね。

私は、2008年に出版された堀内先生の『かにこちゃん』や「ことばとかずのえほん」シリーズ(共にくもん出版)で編集担当をしたことがあり、その後も、舞台通訳をなさっている長女の堀内花子さんと親しくさせていただいていました。そのご縁で、花子さんから、見つかった原画を見せていただきました。

─── 初めて原画を目にしたときはどう思いましたか?

一目で「これはいける!」と思いました。それは私に限ったことではなく、絵本の編集者なら誰でもそう思うというくらい、魅力的な絵だったんです。花子さんもそう感じたからこそ、私に「どうかしら?」と相談されたんだと思います。

50年ぶりに発見された原画。見れば見るほどおはなしを発見できるイラストに驚きます
印刷所で原画をスキャンし、堀内さんの次女・堀内紅子さんが絵本のサイズにあわせてレイアウトしました

谷川俊太郎さんとの名コンビ、再び

───谷川俊太郎さんに文章をつけてもらおうという話は、どなたの提案でしたか?

花子さんも私も、お互いに「谷川先生しかいないよね」となりました(笑)。

───谷川俊太郎さんといえば、2010年に発売された『かずのえほん いくつかな?』(くもん出版)でも、やはり51年前(制作当時は40年前)に堀内誠一さんが描いた絵本のイラストに、新たに詩を書き下ろしていますね。絵本ナビのインタビューでは、谷川さんが堀内さんと一緒に絵本を作った当時の制作の様子を懐かしくもおもしろく語っていただいています。今回の件をお話しした時の、谷川さんの反応はいかがでしたか?

快く引き受けてくださいました。というのも、『音楽の肖像』(画・文/堀内誠一、著・詩/谷川俊太郎、小学館)の制作で、谷川先生と花子さんが度々打ち合わせをしていた時期だったんです。谷川先生が花子さんに「やっぱり堀内さんの絵はいいね。他にもなにかないの?」とおっしゃっていて。そこで、見つかった原画を次女の堀内紅子さんが絵本のサイズに合わせて、12の見開きにデザインしたカラーコピーを谷川先生に渡したんです。そうしたら3日後に原稿があがってきて! 堀内先生もイラストを描くのがとても早かったそうですが、谷川先生のお仕事のスピードにも毎回驚かされています。

───それはすごいですね。受け取った原稿を読んで、いかがでしたか?

絵と文章が絶妙に合っていて! また、絵本の本文だけでなく、後書きも一緒に送られてきたので驚きました。その後はデザイナーさんや印刷所、出版営業部とのやりとりがあり刊行まで半年かかったのですが、谷川先生に「まだ絵本出ないの?」と言われることも(笑)。

おはなしは、森に“しらないおじさん”が現れるシーンから始まります
左はきつねのマジシャン。右はお客さん。イラストのあちこちに堀内さんの企みが描かれています

───原画には「ちちんぷいぷい ぱっ」と手描き文字で入っていたそうですが、絵本のタイトルを『ちちんぷいぷい』にしたのはなぜでしょうか?

谷川先生や堀内花子さん、紅子さんと打ち合わせするなかで自然に決まったという感じですね。絵本を最後まで読んでいただくと分かるのですが、谷川先生は「ちちんぷいぷい ぱっ」と直接使わないように文章を考えていらっしゃるんです。また、表紙をデザインしたときに「ちちんぷいぷい」の文字数の方がバランスが良かったなどが理由です。

───絵本編集者から見た、堀内誠一さんの絵の魅力は?

本当に、いつ見ても新しい。「今年の新作イラストです」と言われたら、そうだなと思うくらいです。それに谷川先生もおっしゃっていましたが、絵のすみずみまでよく考えられていて、キャラクターが生き生きとしていて。本当に「上質」な絵だと思います。

───『ちちんぷいぷい』で初めて、堀内誠一さんの絵に触れるという子もいるかもしれません。改めて、絵本をどんな風に楽しんで欲しいですか?

どのページをめくっても発見があるように、堀内先生の企みが仕込まれています。それをぜひ、大人と子どもが一緒に話しながら楽しんでいただけたらと思います。また大人の方は、インターネットで「堀内誠一」と検索していただきたいです。絵本だけでなく『秘密の花園』(福音館書店)といった児童書や、雑誌『anan』、『POPEYE』(共にマガジンハウス)のアートディレクションや旅の話も出てきますので、改めてその仕事の幅の広さや感性に驚かされると思います。また、堀内先生が遺した肖像画とエッセイに、谷川先生が詩を書き下ろした新刊『音楽の肖像』(小学館)を読むと、趣味や教養の世界がすごく広がると思うんですね。ぜひ『ちちんぷいぷい』を入口に、広く、深く、堀内誠一先生の世界を味わってほしいです。

取材・文:中村美奈子(絵本ナビ)
撮影協力:堀内花子、堀内紅子、紀本直美

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