●『ラチとらいおん』から『ブルンミとアンニパンニ』へ
───『ラチとらいおん』は、弱虫な心をもった子どもの背中をぽんっと押してくれる絵本ですよね。子どもたちが勇気づけられたり、お母さんが共感したり、日本では発売以来50年以上愛されています。
───絵本ナビでもマレークさんの絵本やグッズは人気があるんです。オフィスには大きなポスターが飾ってあったり、ソファには「ラチ」のクッションがあったり、身近に感じています。
───マレークさんは『ラチとらいおん』の後に「ブルンミとアンニパンニ」シリーズ、「キップコップ」シリーズを描かれていますが、どの絵本も、子どもの純粋な気持ちがよく描かれていますよね。私たち日本人はそんなところにも感動するのではないかと思います。同時に、マレークさんの作品はとにかくかわいい!! 「ブルンミ」と「キップコップ」は今も新作が次々出版されていますね。
今回は「ブルンミとアンニパンニ」シリーズについてお聞きしたいのですが、日本では2003年以降再販されて知られるようになりましたが、シリーズの誕生は、意外と昔なのですよね。
- ブルンミとアンニパンニ
- 作・絵:マレーク・ベロニカ
訳:羽仁 協子 - 出版社:風濤社
シリーズ1作目『ブルンミとアンニパンニ』(ハンガリーでの初版は、1970年) 野原をあるくブルンミは、くつ、シャツ、ぼうしをひろいます。だれのものだろう?アンニパンニとブルンミの出会いのはじまり。
そうなの。私は17歳のときに最初の絵本を描いているのだけど、「ブルンミとアンニパンニ」シリーズは結婚して最初の子どもが生まれた後くらいに描いたお話です。1970年あたりかしら。
───(ライター):日本でも一度1973年に『おやすみアンニパンニ』(シリーズ2作目)だけが発売されましたね。子どものときに読んで、アンニパンニのおしゃれなパジャマや赤い家具が大好きでした。くまのブルンミも、女の子のアンニパンニも、いそうろうすることになったこねこも、かわいくてたまらなかったです。
あと、こねこがスリッパで眠る場面が本当に好きだったんです・・・ここです!
- おやすみ、アンニパンニ!
- 作・絵:マレーク・ベロニカ
訳:羽仁 協子 - 出版社:風濤社
いちごつみに出かけたら、こねこもつれて帰って来ちゃった!3人なかよく眠ることができるかな?
まあ、うれしい。ハンガリーでは、このねこがスリッパで寝ているデザインの木のブローチがあるのよ。コネクションのある別の出版社が作って出しているの。
───ハンガリーでも日本でも、かわいいと思うシーンは同じなのですね。ねこがスリッパで寝ているアイディアはどうやって思いついたのですか。
───絵本ファンとしては、70年代に描かれた作品も含め、日本で全作読めるようになって、本当にうれしいです!
───キャラクター誕生から何十年たっても、ブルンミもアンニパンニも変わらず愛らしいですよね。茶色のくま、ブルンミは、泣いたり甘えたり子どもそのものみたい。アンニパンニは、ブルンミの世話をよくやくしっかりものの女の子。ふたりはとっても仲良し!
この2人のキャラクターはどうやって生まれたんですか。どこかにモデルがいるのでしょうか。