●「絵本の中だけにとどまらず、子どもと外に出て実体験をして欲しい」 (カラシマ)
───お二人にはすでに大きいお子さんがいらっしゃるとお伺いしたのですが…、先輩ママさんとして、絵本を子育てにどう活用されたか伺えますか?
カラシマ:私は息子2人なんですが、子どもが小さい頃は毎月届く月刊絵本を楽しみにしていましたね。よく覚えているのは、『せみとりめいじん』(絵:かみやしん、監修:かみやしん、奥本 大三郎、出版社:福音館書店)を読んで、実際に子どもと一緒に公園でセミを捕まえたり、木の実の絵本を読んで、いろんな木の実を拾いに行ったりと、絵本をきっかけにして日常で実際に体験してみるということを自然にやっていたと思います。木登りなんか率先してやると、近所の子ども達のヒーローですよね(笑)。あと、ザリガニを子どもと取りに行ったときは私のほうが熱中しちゃって、気づいたら子どもが向こうで遊んでいたり…。今はそれが出来ないのが寂しいですねー。
フジイ:うちは女の子3人なんですが、3人とも体育会系で、あまり家でゆっくり絵本を読むタイプではなく、1日中外遊びをしていました。ただ、好きな絵本は何度も「読んで!」って持ってきましたね。『くまのコールテンくん』(作・絵:ドン・フリーマン、訳:松岡 享子、出版社:偕成社)を何度読んだことか…(笑)。「どろんこハリー」や「うみべのハリー」も大好きでした。
───同じ絵本を何度も繰り返し読むのは子育てでの鉄板あるあるですよね(笑)。
お話を伺って、あらためて『COLORS【カラーズ)』を見ると、絵を見ながらいろんな会話が生まれそうな作品ですよね。
お2人のコローロとしての次回作の構想はどんなものがありますか?
カラシマ:沢山あります(笑)!
私達2人の大好きな洋書があるんですが、こういう遊び心のある大胆な絵本を作りたいですね。ビジュアルを重視した内容で。あと、「感情」を絵本にしてみるのも面白いよねって話しています。
フジイ:「コローロ」のシリーズでは、形や数をテーマにした絵本を作っていきたいですね。それと、「コローロ」は元々キャラクターとしても考えていたので、グッズとか出せたら嬉しいなって思います。
───オシャレなお二人が考えられる、スタイリッシュな絵本、これからの作品も楽しみにしています。
最後に絵本ナビユーザーへ、『COLORS(カラーズ)』のオススメをお願いします。
カラシマ:今回、こだわった部分に、同じ色にも微妙な違いを出したことがあります。小さい子には「赤」や「青」といった、言葉と色を結びつけて考えることはまだ難しいかもしれません。でも、「リンゴの色」や「トマトの色」など、身近にあるものを想像することが出来るように。また同じ赤でも濃い色があったり、明るい色があったりと、色の幅広さを感じてもらいたいと思いました。絵を見て会話が広がっていったり、読んだ後、おうちで色を探したりして楽しんでもらえたら嬉しいです。
フジイ:それと、インテリアとして大人の方にも楽しんでもらえるように、この絵本を作りました。黒い表紙の赤ちゃん絵本って珍しいと思うんですよね。「スタイリッシュさ」をコンセプトのひとつにあげていたので、若い女性にも買ってもらいたいです。雑貨としてリビングに1冊置いておくのもオススメです。
───ありがとうございました。
お二人の制作風景を見せていただきました。
フジイさんが友人のフェルト作家さんとのコラボで作ったフェルトのゾウ。「コローロ」のモデルになりました。
今回の取材のためにカラシマさんの家から移された、1点モノのカップ。アトリエに置かれていたインテリアがどれもステキでした!

(編集協力:木村春子)