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絵本ナビホーム  >  スペシャルコンテンツ  >  インタビュー  >  プレNEOシリーズ最新刊!和の心を伝える「にっぽんの図鑑」編集長 青山明子さんインタビュー

───私の息子は小学校入学した直後、「ちょうちょ結び」ができなくて、とても困りました。そんなときに出会ったのがプレNEOシリーズの中の『せいかつの図鑑』。子どもたちにちゃんと教えなくちゃいけないけれど漏れてしまっている生活にまつわる知識や知恵をしっかりすくいあげてまとめてくれている図鑑で、本当に感謝したのを覚えています。最新作『にっぽんの図鑑』でシリーズ9冊目を迎える「プレNEO」シリーズですが、この企画がスタートしたきっかけを教えてください。


「プレNEO」シリーズ編集長の青山明子さん

シリーズ1冊目となる『きせつの図鑑』を作ろうと思ったきっかけは、10年前に体験した息子の小学校受験でした。我が家は小学校受験を急に決めたものですから、何の準備もしていなくて…。

急いで過去問を手に入れて親子で解いてみたのですが、「春に食べる野菜は?」や「7月に行う行事を選びなさい」といった季節ネタがすごくたくさん出題されていたんです。当時は季節のことが1冊にまとまっている資料がなかったので、出題内容に合わせて植物の図鑑を開いたり、行事の絵本を探したり…と、とても苦労しました。
そのとき、「季節のことが1冊にまとまっている本があればどんなに楽だろう…」と切に思ったことから、このシリーズはスタートしました。

───お子さんの受験という体験の中で、お母さん目線で感じられたことが原動力となったんですね。

ただ、それは最初のきっかけで、その後、この企画が本当に多くの人に必要な本になるのか専門家やお子さんのいるお母さんたちにいろいろリサーチをしました。情報も集まってきたころに、家族でGWに温泉に行く機会があったんですが、温泉は端午の節句(こどもの日)を祝って菖蒲湯だったんです。すると、そこにいた小学校2年生くらいの女の子が「やだ、ここにネギが浮かんでる〜」って言ったんですよ。それを聞いて、「あ、このくらいの子たちは菖蒲湯を知らないんだ」って衝撃を受けて…。やはり日本の季節や風習から学ぶ図鑑は必要性があると確信することができました。もっとも、「きせつ」の枠を超える内容が集まってしまった(笑)ので、いつか「にっぽん」をテーマにしたものは作りたいと思ったんです。

───『きせつの図鑑』以降は『かず・かたちの図鑑』『こくごの図鑑』など、また異なる切り口で図鑑を作られていますが、それぞれきっかけとなった体験や出来事などがあるのでしょうか?

お蔭様で『きせつの図鑑』が大変好評だったので、シリーズを続けることができました。
『きせつの図鑑』の次はもう少し勉強をメインにした切り口のものを…と思い、『かず・かたちの図鑑』『こくごの図鑑』を作りました。その後、家庭で教えることが難しくなってきたマナーや生活習慣に密着した『せいかつの図鑑』、現代の子どもたちの体力が落ちていることを知り、もっと体に興味を持ってもらえたらと『げんきの図鑑』が生まれました。東日本大震災にあわれた方たちが、段ボールやろうそくなど身近にあるものを工夫して生きている姿をニュースなどで見て、今まで日本人は色んなことを「工夫」してきたのだと感じ『くふうの図鑑』を作りました。

───『くふうの図鑑』は災害への備えが子どもたちにもわかりやすく伝えられていると感じました。その時々の時流に合わせて、色んなきっかけを感じながら図鑑を制作しているんですね。

そのせいなのか、なかなか『にっぽんの図鑑』に行きつくことができなくて…9年も経ってしまいました(笑)。2013年に2020年の東京オリンピック開催が決まって、いよいよ『にっぽんの図鑑』をスタートさせよう!と決めました。


───実際に図鑑ができるまでの過程について教えていただきたいのですが、毎回、テーマを考えるのにどのように資料収集をするのですか?


青山さんがファイリングしている資料を
見せてもらいました。これはほんの一部だそう!

1冊を作るためだけに資料を集めるということはあまりないですね。常日頃からニュースや新聞などの情報にアンテナを張って、関係しそうな資料を見つけては、手元に保管するようにしています。そして、何かあるごとに眺めては、「これは『くふうの図鑑』に使える」「これは『よのなかの図鑑』に使えそう」とイメージを膨らませていくんです。
今では私が資料を集めているということを知っているいろんな方からも、資料をいただくので、かなりの情報が集まってきていると思います(笑)。

───この膨大な資料集めを、シリーズ創刊当初からずっと続けられているなんてすごいです! 資料が集まってからは、どのような流れで進んでいくんですか?

集まった資料を見ながら、一緒に作業をするスタッフとできるだけ多くのテーマを出し合って、専門家や関連する各所への取材を始めていきます。『にっぽんの図鑑』では、東京オリンピックに向けて、海外の人たちに日本の文化を伝えることも意識しました。外国人の方々が「日本」のどんなことを知りたいと思っているのか、直接リサーチしたのが、新しい取り組みです。

───それは興味深いですね。外国の方は日本のどんなところが不思議に思うのでしょうか?

印象的だったのは、日本人がどんなときにも「お辞儀」をすることが不思議だと言っていたことです。

あと、「海苔」。黒い紙のようなものをなぜ食べるのか、どうやって作られるのが謎だったようです。そういう疑問は子どもの目線と似ていると思ったので、ページに反映させたり、クイズとして出題したりしました。

───「海苔」は黒い紙…確かにそう見えるかも(笑)。そうやって細かい内容がかためられていくんですね。

ある程度、図鑑の方向性がまとまったところで、監修をお願いしている藤森裕治先生のところに相談に行き、藤森先生ならではの観点を追加してもらって、全体の構成が決まりました。それからコンテを作って、再度図鑑全体の流れをチェックしてから、デザイナーにデザインラフを作ってもらいます。そうして、コンテやラフを確認しながら編集担当者がそれぞれのページの取材に行ったり、イラストや写真を集める作業に入ります。

───図鑑全体から和の雰囲気が漂うデザインになっていると感じました。ページは絵と写真がバランスよく入っていて、どのページから読んでも飽きない作りになっていますよね。


刺繍で紹介されている俳句のページ。 やさしい和の雰囲気が醸しだされています。




全体を通して読んだときに、イラストと写真のページがバランスよく配置されているか、イラストばかりのページが続いていないかなど、スタッフ全員で何度も確認を行います。
見せ方に関しても、イラストだけにならないように、刺繍を使ったページにしたり、ドールハウスのような立体や半立体を使った説明のページを作ったりと、ビジュアルで楽しんでもらえる工夫をしています。

───イラストも色んな絵描きさんを使って、タッチを変えているのが新鮮ですよね。 個人的に「にっぽんの ふうけい(p10-11)」を1枚の絵で表しているページがとても情緒的で素晴らしいと感じたのですが、青山さんの中でお気に入りのページはありますか?

「にっぽんの ふうけい」は私も含め、制作にかかわったスタッフみんなが好きなページです。どのページもそれぞれ思い入れはあるのですが、特に気に入っているのは「おもて いろいろ(p152-153)」で能や狂言で使う「面」を並べたページです。私も『にっぽんの図鑑』を作るまで本物を見たことがなかったので、とても新鮮でした。

───「おもて いろいろ」のページは小さいお子さんの中には「怖い」と感じる子もいるかもしれないくらい、迫力のあるページですよね。

監修者の藤森先生からは、子どもにとって「怖い」という感情を持つことは、とても大切なことだというご意見をいただきました。先生のアドバイスを参考にして『にっぽんの図鑑』には「にっぽんのようかい(p36-37)」や「じごくと ごくらく(p58-59)」など、ちょっと怖いと感じるページもあるんですよ。


───「怖いのが大事」というのはどうしてですか?

藤森先生ご本人も子どもの頃、本や図鑑がお好きで、ページがくたくたになるまで読み返していたそうなんですが、怖いものが載っているページは大きくなっても印象深く覚えていたそうなんです。成長する中でそういう感覚や記憶を大事にしてほしいと思っていらっしゃるのではないでしょうか。

あと、「とのさまが すんでいた ところ(p116-117)」もスタッフの中でお気に入りのページです。お城の絵は「迷路」シリーズ(PHP研究所)や「かずの冒険」シリーズ(小学館)でおなじみの香川元太郎さんに描いていただきました。本の中には紹介されていませんが実は絵の中に隠し文字が入っているんですよ。

───え! どこだろう…? とっても気になります。(スタッフ一同、必死に探す)

香川さんの遊び心あふれる絵を是非楽しんでもらえたら嬉しいです。

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