フジテレビKIDSの人気キャラクター、ガチャピン・ムック。
好奇心旺盛でアクティブなガチャピンと、おおらかで食いしん坊なムックが、人気絵本作家サトシンさんとタッグを組んだ絵本が完成しました!
タイトルは『みどくんとあかくん』。2016年3月に全国書店で発売となります。発売に先がけて、サトシンさんと絵を担当したドーリーさん、そしてガチャピン・ムックにおはなしを伺いました。
4人の出会いから、絵本ができるまでのやり取り、そして完成した絵本の読み聞かせイベントをしたいという今後の活動のはなしまで。4人の楽しい雰囲気がいっぱいつまったインタビューをお楽しみください。
●絵本ナビ初! ガチャピン・ムックにインタビュー!
───子どもたちに大人気のガチャピン・ムックにインタビューをさせていただけるので、とても楽しみにしてきました。今回の絵本を手に取って、最初に思ったのが「あれ、名前が違う?」ということ。
サトシン:そうなんです。今回の絵本は、ただガチャピン・ムックの絵本を作ろうという単純なはなしではなく、「サトシンの絵本の世界にガチャピン・ムックをキャラクターとして客演してもらおう!」という、一風変わった発想で作った作品なんです。なので、名前もあえて「みどくん」と「あかくん」に変えています。
ガチャピン:ぼくたちも最初、絵本の中で名前が変わると聞いてビックリしたけれど、サトシンさんの絵本の世界で遊べるなんて面白いなぁと思いました。
ムック:「みどくん」「あかくん」という名前はとっても気に入っております。
───ガチャピン・ムックの絵本を作るおはなしは、どのようにスタートしたのですか?

ガチャピン:ぼくたちが最初に、サトシンさんというおかしな絵本をいっぱい出しているおじさんがいるということを知って、サトシンさんの絵本を読んでみたんだよね。
ムック:絵本がとってもおもしろくて、実際にサトシンさんに会ってみたいと思ったんです。
ガチャピン:でも、ぼくたちが直接会いに行くと、サトシンさんもビックリすると思って、まずはスタッフさんに会いに行ってもらったんだ。
───サトシンさんは、ガチャピン・ムックが会いたがっていると知って、どう思いましたか?
サトシン:ビックリしましたね。実ははじめ、フジテレビの人から「うちの局関連のとある人と面白いことができないか」という話を聞いて、「それって誰かな……お笑い芸人さんかな? それとも歌手の人かな?」と思っていたんです。でも、話を聞いたらガチャピン・ムック! かなり予想外だったんだけど、うちの長男の子どもの頃のあだ名が「ガチャピン」で、なんだか親近感があったこともあり、ぜひ一緒にやりたい!と思ったんです。
ムック:それは、知りませんでしたぞ。
ガチャピン:サトシンさんのお子さんがぼくと同じ名前で呼ばれてたなんて、嬉しいな。
───ガチャピン・ムックは、はじめてサトシンさんに会ったときの感想は?
ムック:とっても面白い人だな〜と思いました。
ガチャピン:そうそう。こんなに楽しい人、一緒にもっと面白いことしたいな〜って思ったんだ。
───その「面白いこと」が絵本だったんですね。

サトシン:フジテレビKIDSさんからおはなしを頂いたときは、明確に絵本を作るという依頼ではなくて、ガチャピン・ムックのことをもっと多くの人に知ってもらうために何か面白いことができないか……というおはなしだったんです。でも、せっかく自分に声をかけてくれたのだから、絵本もアリだろう! それなら、普通にガチャピン・ムックの絵本を作るんじゃなくて、二人を自分の絵本の世界に客演してもらう感覚で、「みどくん」と「あかくん」というキャラクターを演じてほしいとお願いしました。
ムック:私たちがサトシンさんの世界で、どんなふうに遊ぶのか、ワクワクしていました。
ガチャピン:そうだよね。今まで色んなチャレンジをしてきたから、今度は絵本の中で面白いチャレンジになるって思ったんだ。
サトシン:そうそう、ガチャピン・ムックの二人を絵本の世界に登場させるのは新しいチャレンジになるので、やってみたいとオレも思ったんだよな〜。
───キャラクターとして、「みどくん」と「あかくん」を登場させることが決まってから、おはなしを考えるのは大変でしたか?
サトシン:それが意外と簡単だったんです(笑)。もちろん二人の魅力を伝えるために、どんなストーリーにすればよいか考えるのは大変でした。でも、それこそ長い間ガチャピン・ムックの活躍を自分も見てきたわけです。自分を含めた日本中の人たちは、二人がとっても仲良しだということを知っている。だから、その仲良しな二人の関係性、「友達っていいな、友達と一緒にいると楽しいな」ということを絵本の中でも一番伝えていくべきと思いました。
ガチャピン:そうだよね。ぼくとムックはずーっと一緒にいる仲良しだもんね。
───その根っこの部分が決まっていたから、おはなしのテーマを考えるのはそれほど難しくなかったのですね。では、難しかった部分はどんなことですか?
サトシン:普段、絵本を作るときには、登場人物の設定もゼロから作りだしますが、ガチャピン・ムックは多くの子どもたちに知られている存在。だからこそ、ガチャピンらしさ、ムックらしさを崩さずに、サトシンワールドに入ってもらうにはどうしたらよいか考えるのは大変でしたね。二人がピンチに陥ったとき、どんな行動をするのか、話し方はどうか……。そのあたりは、ダミーを作った後、ガチャピン・ムックと一緒に何度も打ち合わせを重ねて、ストーリーの流れや、二人の動きなどを詰めていきました。
───おはなしを作る段階から、ガチャピン・ムックも関わっていたのですね。

ムック:もちろんですぞ! サトシンさんと何度も会って、私とガチャピンの仲の良さ、普段どんなことをしているかをおはなししました。
ガチャピン:サトシンさんとおはなしをしながら、絵本のストーリーがどんどんできあがってくるのを見て、絵本作家さんってこうやってストーリーを作っているんだ〜って面白かったな。
サトシン:アクティブで何でもチャレンジするガチャピンと、ガチャピンを優しく見守りながらも、自分のやりたいことには真っ先に動き出すムック。二人の性格が違うことは、おはなしを作る上でポイントでした。同じハプニングが起きても、すぐに行動に移すガチャピンと、心配しながらも最後にはガチャピンと一緒に楽しんじゃうムックという構図ができて、おはなしをより盛り上げることができたと思います。
───目の前においしい料理や、面白い楽器、遠くへ出かけられる自動車が出てきたときのガチャピンとムックの行動は、実際の二人の関係性そのものなんですね。

ムック:そうなんであります。ガチャピンは、やってみたい!って思うと、何でもすぐ行動しちゃうんです。だから、私はいつも、苦労しているんですよ。
ガチャピン:もぉ〜、ムックだって一緒に楽しんじゃうじゃないか〜。絵本の中でのぼくたちは、夢中になりすぎて、怒られちゃうけれど、絵本の中でしかできないこともいっぱいできて、とっても楽しかった。
サトシン:せっかく二人を絵本の世界に登場してもらうんだから、いい子ちゃんになって教訓的なことを伝えるより、ちょっといたずらしたり、脱線したり、「こんなことまでやっちゃうの?」という、絵本を読んだ子たちがドキドキしちゃうような展開も見せながら、それでも二人はいつも仲良しなんだよってところが一番伝わるといいな〜と思い、制作しました。