●子育て中にこのもぐもぐマシーンがあったらと思いました。
───野坂さんご自身は、苦手な食べ物はありますか?
私はこの「もぐもぐマシーン」のおかげで、好き嫌いはなくなりました(笑)。……でも、もともと、あまり好き嫌いはないんです、豚の脂身くらい? それが単品で出されることはないので……。ただ、息子はゴーヤやニンジンなどが嫌いで、それは今も苦手なままだと思います。子どものころは、細かくして料理の中に入れたりして食べてくれるよう工夫していましたが、そのとき、もし「もぐもぐマシーン」を読んでいたら、我が家にも登場させていたかもしれないですね。
───絵本の後ろに、「保護者の方へ」という、著者で小児心理カウンセラーのイローナ・ラメルティンクさんのアドバイスが載っていますが、お子さんにもやってみたいと思いましたか?
そうですね、子どもたちはもう成人して家を出ているので、今は試せませんが、小さいころだったら、原始人ごっこや、「ポテトフライの日」を決めるなどやってみたらきっと楽しいですよね。それと似ているかはわからないのですが、以前、私が出張で家を空けたとき、子どもたちがお父さんの作った「フルーツごはん」がおいしかったというんです。いったい何かなと思ったら、バナナやブドウ、ミカンなどフルーツだけの夕食だったそうで……。
───お母さんだと、どうしても栄養バランスを考えてご飯を作りますが、お父さんだとそういうユニークな発想のご飯ができちゃうんですね(笑)。
そういう気分転換があるのも、食事を楽しむためにはとても良いと思いました。
───『すききらいとんでいけ! もぐもぐマシーン』の中にも、「原始人ごっこ」をする場面が出てきますよね。
この原始人ごっこの場面は、書いてしまってもいいのかとても悩みました。日本では、落とした食べ物を食べることは、行儀の面からみてもなかなか良しとされませんので。でも、それをしてしまうのが、良い意味で海外のおおらかさというか……(笑)。絵からは楽しそうな雰囲気があふれていたので、それを楽しんでもらえるように文章も工夫しました。
───日本では遠足のときに外で食べるように、レジャーシートを敷いて、食べるのもよいかもしれませんね。