私たちの健康を守ってくれる、とても心強いヒーローが誕生しました! その名も「ダイズマン」! ビーンズせいに住むダイズマンと、隣のライスせいに住むコメリーヌの活躍を描いた『ダイズマンとコメリーヌ』(文研出版)がこの度出版されました。文章は中川ひろたかさん。そして絵を担当したのは『ダルマなんだ』(絵本館)などで注目を集める、丸山誠司さんとくれば、とってもユニークなおはなしになること間違いなし。絵本の発売を記念して、中川ひろたかさんにインタビューを行いました。
- ダイズマンとコメリーヌ
- 文:中川 ひろたか
絵:丸山 誠司
原案:まつむらしんご - 出版社:文研出版
●あそび歌が原案? 「ダイズマン」誕生のヒミツ。
───ビーンズ星からやってきた、ダイズマンはビジュアルもかなり斬新なとても面白いヒーローですよね。
ダイズマンは「gaagaaS(ガーガーズ)」という2人組のユニットが作った歌に出てくるキャラクターなんです。
───そうなんですか? それがなぜ、今回絵本になったのですか?
それは、それは、話せば長い、流せば早い話なんです。
───長くお聞きしたいのですが、時間も限られていますので、早めにお願いできますか?(笑)
ガーガーズは、まつむらしんごくんと、別府のどかちゃんの2人組ユニットなんです。大阪のとある音楽の専門学校で出会った2人は、まつむらくんの「子ども向け、ファミリー向けの音楽を作りたい」という一言で、ガーガーズを結成し、関西方面で活動していたんです。そうしたら、ある人から「子ども向けでやっていきたいなら、「トラや帽子店(※)」を聴いた方がいいよ」って言われたらしいのね。それで、いろいろ調べたら、ぼくのことを知って、ぼくが2009年から開催している「A1あそびうたグランプリ」というのがあるので、出場してみようと思ったのだそう。それが、出会い。
※トラや帽子店……1987年に結成されたバンド。中川さんは、バンドリーダーとして活躍。「世界中のこどもたちが」など多数の名曲を生み出す。
───ガーガーズは最初、「A1あそびうたグランプリ」の参加者だったんですね。
そう。そのときは全く賞には入らなかったんだけど、そのあとの懇親会で話をして、彼らが自費出版で出したCDがあるというので、購入して、帰りの車の中で聴いたんです。それが、とてもすばらしかった。それから、ガーガーズと一緒に、歌を作ったり、ライブをしたりしているんです。
───中川さんが、ガーガーズのプロデュースをされているんですね。
ぼくも、「中ガーひろたガー」っていって、3人で「ガーガーガーズ」って名前にして(笑)。
───「ダイズマン」のキャラクターは「ガーガーガーズ」で一緒に活動しているときに誕生したのですか?
「たたかえ! ダイズマン」という曲が、すでにガーガーズのCDの中にあったんです。彼らはイベントでダイズマンのヒーローショーをやって、子どもたちに見せていたそう。ぼくもとても面白いキャラクターだと思ったから、おはなしを作ったんです。最初、コメリーヌは出てこなくて、「ダイズマンとオコメマン」だったんですよ。それを、文研出版さんに持ち込んだら、気に入ってもらえてね。絵本を作ることになりました。
───歌の中に出てくるキャラクターから絵本になったなんて、面白いですね。
ぼくの絵本の中でも珍しいんじゃないかな。オコメマンからコメリーヌになったのはね、担当編集者が「中川さん、男同士、レストランで待ち合わせをするのは、ちょっと変じゃないですか? 女の子のキャラクターにしましょう」と提案してもらったんです。それもそうかな? と思って、まつむらくんに相談したら「コメリーヌがいいと思います」と返事が来たの。
───まつむらさんは『ダイズマンとコメリーヌ』の原案者として名前が載っていますね。キャラクターを考えたのがまつむらさんということですか?
ストーリーもほとんど、「たたかえ! ダイズマン」の歌に沿っているんですよ。「なっとうパンチ!」「とうふキック!」など、必殺技も歌の中に出てきます。ぼくは歌を聴いて、朝ごはんに納豆とお米と味噌汁を食べる日本の食文化のすばらしさをダイズマンを通じて、子どもたちに伝える内容になればいいなと思っておはなしを考えたんです。
───今、朝ごはんを食べない子どもたちも増えていると言いますよね。ちなみに、中川さんは、朝ごはんは?
ぼくは、しっかり食べますよ。納豆ごはんとお味噌汁。じゃなきゃ、こんな作品、書けないじゃないですか(笑)。
───そうですよね。それが聞けて、安心しました(笑)。