●今までと異なる画材にもチャレンジしました。
───今までの西さんの作品を拝見すると、貼り絵を使った作品が多いように思うのですが、今回は筆を使って描いた絵もたくさん収められているのが意外でした。
ちょうど水彩で描いてみたいと思っていた時期でもあったので、いろいろな言語が登場する本なら、絵もいろいろなタッチがあった方が楽しいのではないかと内貴さんにご相談しました。
水彩は今まであまり描いたことがないタッチなこともあり、ドキドキしたのですが、完成したものを見ると、ページをめくるごとに絵に変化が出て、見ごたえが出たように思います。
───地域によって画材を変えたりなど、何かルールのようなものはあったのですか?
そういうのはなかったですね。言葉からイメージして、「これは水彩で描きたいな」「これは貼り絵の方が良いかな」と思いながらタッチを選びました。
───画材もそうですが、今まで描いたことのない表現や構図の絵もあったのではないでしょうか?
そうですね。インドのラダック語「ショチャン」は「怒りっぽい人、怒りんぼう」という意味なのですが、今まであまり感情を爆発させた人を描いたことがなくて、結構難しかったですね。

ラダック語「ショチャン」
───ほかに描くのが難しかった言葉はありましたか?
特に悩んだのは、「グイカ」という、パプア・ニューギニアで話されている「ドム語」の言葉です。
───「電話による通話(風の言葉)」ですね。
「風の言葉」ってとても素敵な意味なのですが、風をどういう風に表現するのが良いのか、すごく悩みました。

ドム語「グイカ」
───何度か描き直しをされたりもしたのですか?
そうですね。すべての絵は、原画を描く前のラフ画の段階で何度か描いています。実は原画が完成した後にも、半分くらいの絵を描き直ししているんですよ。
───原画が完成した後にもですか?
はい。でも、おかげでより言葉にピッタリの絵を描くことができたので、作品がさらに良くなったと思います。
───言葉を知って、興味を持った国がたくさんあったと思います。特に行ってみたいと興味を持った国の言語はありますか?
カナダのツィムシアン語ですね。『なくなりそうな世界のことば』に紹介されている「ツウォホ」は「寝る前におやつを食べる」という意味なんですが、その習慣がすごく素敵だなと思って(笑)。私も「ツウォホ」に参加したいなって思いました。
───絵にはとっても美味しそうなおやつが並んでいます。ぜひ、実際に食べてみたいですね。

カナダ「ツィムシアン語」









可愛い限定商品、ゾクゾク♪ 






