新刊
きみとぼく

きみとぼく(文溪堂)

谷口智則さん最新刊 全然違う「きみ」と「ぼく」の物語

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まほうのさんぽみち

まほうのさんぽみち(評論社)

絵本が大好きな女の子とパパの、幸せであたたかいお話。

絵本ナビホーム  >  スペシャルコンテンツ  >  インタビュー  >  アメリカで数々の賞に輝いた、こわ〜いにんじんがやってきた!『きょうふのおばけにんじん』中川ひろたかさんインタビュー

最後のどんでん返しに向かうための、ジャスパーの行動は作品として見事だよね。

───次第に、目に見えないにんじんたちの気配に、追い詰められていくうさぎのジャスパー。こういう、現実と空想があいまいになる感覚は、大人よりも子どもの方が身近に感じているように思いました。

そうだね。ぼくが保育園の先生だったころ、子どもたちを連れて散歩に行くでしょう。庭につながれている犬を指さして「ライオンだ! ライオンがいる!!」って言ったり、道路にペンキがバーッて流れていたら、それを見て「大火事だ――!」ってみんなで消す動きをしたり……(笑)。
誰かひとりが発言すると、それに連動するようにどんどん想像力が広がっていって、大騒ぎになるんだよね。
ぼくも調子に乗って、「マンホールの下に金太郎がいる」って言って、子どもたちみんなでマンホールに向かって「金太郎――!」って叫んだこともあったね(笑)。
1、2歳くらいの子どもたちには本当に犬がライオンに見えているんだろうし、ペンキが大火事に見えるんだよね。

───絵本の中のジャスパーも、恐怖がどんどんどんどん助長されていきます。

そういうことって、子どもも大人もあるよね。あと、大人に助けを求めても、信じてもらえないとかね。

───お父さんにおばけにんじんのことを伝えても、信じてもらえず、ベッドに戻るように言われる、ジャスパー。明らかに納得していませんよね。

ぼくは、このベッドの下をのぞく、お父さんの表情も好きなんですよ。

───暗いところに目を凝らしている良い表情ですよね。ジャスパーは、にんじんが迫りくる恐怖に耐えられず、遂に、にんじんが畑の外に出られないよう、巨大な囲いを作ってしまいます。そのあまりの徹底ぶりに、ちょっと狂気というか、おばけにんじんとは違ったタイプの怖さを感じました。

執念みたいな感じだもんね。でも、このジャスパーの行動は、最後のどんでん返しに向けての壮大なフリなわけで……。ここまでやらないと、あのラストの見事な展開にはならないんだよ。

───たしかに。すべてにんじんたちが仕組んで、ジャスパーに行動させたということもすごいと思いました。

にんじんたちは、最小限の行動だけで、ジャスパーに恐怖を与えて意のままに動かした。それまでの抑えらえた色彩と行動があったから、最後の囲いの中での、にんじんたちの姿はすごく晴れやかで、読んだ人はみんな、爽快な気分になると思います。

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中川ひろたか(なかがわひろたか)

  • 1954年埼玉県大宮市生まれ。日本ではじめての男性保育士として、5年間千早子どもの家保育園に保父として勤務。1987年、みんなのバンド「トラや帽子店」を結成。リーダーとして活躍。「みんなともだち」「世界中のこどもたちが」などは、たくさんの子どもたちに歌われている。1995年「さつまのおいも」(童心社刊)で絵本デビュー。「たなばたプールびらき」他ピーマン村の絵本シリーズ(童心社刊)、「わりとけっこう」(絵本館刊)などの作品がある。絵本「ないた」で日本絵本賞受賞。絵本作家、詩人の他にも、ラジオDJなど、多方面で活躍中。

作品紹介

きょうふのおばけにんじん
作:アーロン・レイノルズ
訳:中川 ひろたか
絵:ピーター・ブラウン
出版社:Gakken
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年齢別絵本セット