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絵本ナビホーム  >  スペシャルコンテンツ  >  インタビュー  >  自分で作ると、ゲームはもっと楽しい!『10才からはじめるゲームプログラミング図鑑』編集者・橋本隆雄さんインタビュー

8つのゲーム作りを通して、プログラミングの技術と「理論立てて考える力」が身に付きます!

───2015年にイギリスで出版され、たちまち注目を集めた『10才からはじめるゲームプログラミング図鑑』。この本は、どのような経緯で翻訳出版されることになったのですか?

創元社では自然科学や美術などのさまざまなジャンルについて、「学び」の要素をもった海外作品を探して出版しています。なかでもプログラミングは2020年に小学校の授業で必修化が決まったこともあり、「これからますます注目を集めるジャンル」と考えています。
まず最初に、イギリスで出版された本シリーズの1作目『10才からはじめるプログラミング図鑑』に出会いました。2015年にこの本の日本語版をわが社から刊行しており、本書はその第2弾になります。
第1弾は、スクラッチとパイソンという2つのソフトについて解説する「一粒で二度おいしい」タイプの本でしたが、今回はスクラッチのみに特化。この本のなかで紹介されている8つのゲームは、前作に載っているものより少しだけレベルアップしていて、挑戦しがいのある一冊になっています。


編集を担当された、橋本隆雄さん

───「10才から」とタイトルに書いてあるのには、何か理由があるのでしょうか?

ちょうど10才くらいのお子さんからチャレンジできますよ、という思いを込めているからですね。ある程度経験のある子やプログラミングやゲームに興味のある子なら、10才を待たずにチャレンジできると思いますよ。

───私たち大人が子どもだった頃には、ゲームといえば遊ぶもので、作るなんて考えもしませんでした。

パソコンやネットに慣れ親しんでいる今の子どもたちには「ゲームが好き」という感情の延長線上に、「自分で作ろう」と思い立つことができる環境があります。本書で扱うスクラッチにしても、オンライン上で登録さえすれば子ども一人で簡単に使えます。
そういった道具の存在を知り、使えるようになれば、イメージを形にする楽しみが一つ増えるわけです。本書では幼い子どもたちの手引きにしてもらえるよう、解説にイラストをたくさん使ったり、すべての漢字にふりがなをつけるなど、親しみやすい工夫をしています。「自分で作るとゲームはもっと楽しい」ということを、たくさんの子に実感してほしいですね。


かわいいイラストがたくさん使われているので、見ているだけでも十分楽しめます。

───橋本さんの、特にオススメのゲームはどれですか?

実は編集段階で私も、すべてのゲームをスクラッチを使って作ってみました。本を読んだ子どもたちが、立ち止まらずにうまく進められるかを検証しなければいけませんからね。
アクションあり迷路ありと、タイプの違うゲームが揃っていますが、「氷の上のレース」はゲーム性も高く、レースゲームが好きなお子さんにオススメです。移り変わる景色のなかを、2台のレーシングカーが競争するんですが、作るとなると一見難しそうですよね。でも、作ってみると簡単なプログラムで成り立っていることがわかります。


「氷の上のレース」

背景が動くのは、2枚の絵をかわるがわるスクロールさせているから。こんなにシンプルでいいんだという驚きがありました。もちろん、もっと変化をもたせたければ絵の枚数を増やすことができるわけです。

───絵の枚数を増やせば、複雑なコースも作れそうですね。

あと、海のなかで敵を避けながらスコアを競う「スター・ハンター」もオススメです。海の中の生き物を作ったり、敵の動きをいろいろ変えてみることで、難易度も変化します。複数のキャラクターの動きを考える力が養われると思います。アクションゲームや速さを競うゲームがちょっと苦手……というお子さんには、「ドラムで音あそび」をオススメします。これは、最初に流れるドラムの音をおぼえて、プレイヤーがドラムを叩いていく音ゲームです。記憶力が試されるので、プレイする方も盛り上がると思います。


「ドラムで音あそび」

───アクションに、レースに音を使ったゲーム。本当に多種多様なゲームのつくり方がこの一冊に詰まっているんですね。

プログラミングはまさに創造の世界です。子どもだと、目の前の課題をクリアしたい欲求も集中力も大人とは段違い。だから私が感じた以上に、読者には創る楽しさを感じてもらえるのでは。手順通り組み立てるにとどまらず、ひいてはその先のクリエイティブな喜びを手に入れてほしいです。親御さんも一緒に取り組まれれば、さらに楽しいですよ。


「おサルのジャンプ」

───一緒にゲームを作ることで、子どもの成長を感じることができそうです。それと、本書が「スクラッチでのゲームの作り方」だけを書いたものではないことも魅力のひとつですよね。

そうですね。冒頭の「コンピューターゲームとは?」の章では、スクラッチでのゲーム制作に入る前に、ゲームにはどんなジャンルのものがあるか、雰囲気作りはどうすればよいかなどの「心構え」ともいえる部分に触れています。また、この章でプログラミングとは何かということも説明してくれるので、その後の制作にすんなりと入っていけるでしょう。


「ゲームのジャンル」

また、末尾の「次はどうする?」の章では、スクラッチでの8つのゲーム制作を終えた子どもたちへ、自分のゲームをさらに発展させるにはどうしたらよいか、上手なプログラミングとは何か、技術を身につけるために必要なことや将来的な職業にまで話が広がります。

───将来的な職業ですか?

はい。ゲームを作る職業にまで触れているのは、珍しいと思います。
ゲーム作りには「プロデューサー」や「ゲームデザイナー」などのよく知られた仕事があるのはもちろん、ゲームが正しく動作するか、何度も何度もプレイをしてチェックを行う「テスター」という職業や、ゲームの効果音を作る「サウンドデザイナー」など、今まで知られていない職業もイラスト入りで紹介されていて、大人でも「そんな職業があったんだ」と感心させられます。
「テスター」なんて職業、私が子どもの頃には全然知らなかったですからね。一日中ゲームを試すのが仕事というのは、ゲーム好きの子には夢のように思えるのではないでしょうか。


「ゲームを作る仕事」

読者がプログラミングによってゲームを自作する。そこで終わりではなく、その先もちゃんと色々な世界につながっているんだというのを実感できるのは、広い意味でのキャリア教育にもなります。

───ゲームという入り口から、世の中までも見渡せる本なのですね。プログラミングを通して、子どもたちにはどんな力が身につきますか?

プログラミングは職業的なスキルとして重宝されることもありますが、子どもが学ぶ意味はそれ以上に「理論立てて考えられるようになるから」でしょう。本書の内容でいえば、あるゲームを完成させようとしたとき、イメージする動きを画面上で実現するには「この指令のあとに、この動きをつけ足す必要があるな」などと考えるわけです。順序よく、理論立てて考えることが、だんだんクセのようになっていきます。
この力は理系へ進む子だけでなく、文系へ進む子にも将来役に立ちます。理論立てて考えられていれば、だれかに説明するときにも、自分の言葉できちんと順序立てて伝えることができます。きちんと伝えるには、どんな言葉を選ぶべきかということまで考えますから、言語能力が上がります。言語能力が身につけば、色々な世界へアクセスしていけます。

───理論的に考えることにはじまって、表現することまで興味を持つんですね。

日本語が話せるとおよそ1億人、英語が話せると17億人、絵が描けると70億人とコミュニケーションがとれると言われます。プログラミングにも、絵と同じように「言葉がなくても伝わる力」があると私は考えています。世界とつながる強力なツールですよね。まさに「生きる力」をプログラミング学習では獲得できますし、作ってみて楽しいという段階から次に広がるリアルな世界があるのは大きなメリットだと思います。まずは難しく考えず、面白がって挑戦してほしいです。

───魅力が伝わるお話をありがとうございました。最後に絵本ナビユーザーへメッセージをお願いします。

もしお子さんがゲーム好きなら、ぜひこの本を渡してみてください。ゲームが「やるもの」から「作るもの」に変わるはずです。
ゆっくり読み進めればだれにでもできますし、完成すれば作ったものが動く喜びに親子で感動できます。案外、大人の方が「うちの子、こんな絵が描けるんだ」「こんな発想ができるんだ」なんて発見があるかも。新しい世界の扉を、親子でぜひ開けてみてください。

───ありがとうございました。

取材/木村春子
文/てらしまちはる
写真/所靖子

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作品紹介

10才からはじめるゲームプログラミング図鑑
著:キャロル・ヴォーダマン ほか
訳:山崎 正浩
出版社:創元社
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