2015.04.27
金沢21世紀美術館に巨大なしかけ絵本『オセアノ号、海へ』が登場!
今年行きたい街の第1位は、きっと金沢でしょうね。
自分に一冊。そして、大切な友人にも贈りたい傑作です。
手にすると、さらさらとした紙の質感。
縦長で、ほどよい厚み。
お気に入りの雑貨のような心地よさを感じます。
表紙をご覧ください。
上三割ほどのあたりの海面に、真っ赤なオセアノ号の船体が浮かび、
下七割ほどは水色の・・・そう、下はずっと海なのです。
私たちが目にする世界は、上の方のわずかな部分。
その下に、深く、深く、もっとずっと大きく深い世界が広がっています。
この海の中こそがこの作品の舞台なのです。
さあ、本を開いてみましょう。
最初のページには、出帆の準備をしているオセアノ号の姿。
浜辺には海水浴を楽しむ人々。
空高く黄色い凧が上がっていて、海は水面が見えているのみ。
これから始まる航海のプロローグにふさわしいシーンです。
そして次のページを開くと・・・いよいよ、大きなしかけが登場します!
ページを開きはじめたときには本の下の方まで伸びていた海面とそこに浮かぶ船達が、
ページを開くのにあわせてググっと立ち上がり、上三割のところで本と垂直に伸びる海面となります。
その下の七割の部分は・・・そう、海の中なんです!!
魚が泳いで、海面に浮かぶブイの鎖が海底まで伸びて・・・。
港の近くの海中には、いろんなものが沈んでいますね。
「いよいよ そのひが やってきた!
せかいの うみへ、たびだつ ひだ。
あかい さんかくの はたを かかげた オセアノ号を、
いろんな ふねに のった ひとたちが みおくっている。
りくちよ、さようなら。
しらない せかいが まっている!」
さあ、冒険の始まりです!
本と垂直に立ち上がった海面に顔を近づけると、海の上の様子がよくわかり、
そこから海面の下に目を移すと、深い海の中の出来事が迫力をもって伝わって来ます。
北極の冷たい海を越え、嵐をくぐり抜けてたどり着いたのはサンゴの海。
その美しいこと・・・・。
「素敵」という言葉が実にしっくりくる、そんな絵本です。
本の裏に記された、発行元アノニマ・スタジオさんからのメッセージに共感を覚えましたのでご紹介しておきますね。
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アノニマ・スタジオは、
風や光のささやきに耳をすまし、
暮らしの中の小さな発見を大切にひろい集め、
日々ささやかなよろこびを見つける人と一緒に
本を作ってゆくスタジオです。
遠くに住む友人から届いた手紙のように、
何度も手にとって読みかえしたくなる本、
その本があるだけで、
自分の部屋があたたかく輝いて思えるような本を。
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そう、これはまさにそんな本。
自分に一冊。そして、大切な友人にも贈りたい傑作です。
ということで、この巨大版『オセアノ号、海へ!』が会場に登場
こちらの写真は、昨年ドイツの美術館で展示されたものだそうです。水面下から覗けて、右側の階段を登ると水面の上も見えるんですね。これは楽しそう!
他にも、しかけ絵本に関する展示コーナー、1000種類のしかけ絵本に触れられるプレイゾーンやしかけ絵本作り教室も開催されるそうです。しかけ絵本教室といえば、僕にしかけ絵本の作り方を伝授してくれた師匠がいらっしゃいまして・・・あ、まさにその師匠である嵐田康平さんが講師ですね!これは楽しいですよ!!
※追記:リード文の表現を一部修正しました(2015.4.28)
<しかけ絵本の世界展>
期間:
2015年4月28日(火) - 2015年5月10日(日)
- 10:00ー18:00(金土曜日20:00まで、最終入場30分前)
- 会場:
- 金沢21世紀美術館 市民ギャラリーB(地下1階)
- 料金:
- 一般700円、小中学生以下無料
- お問い合わせ:
- うつのみや本店
TEL 076-234-8111 - 金沢21世紀美術館サイト
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