「たろうのおでかけ」「たろうのともだち」ナレーション谷啓さんインタビュー

─ナレーションの世界では、谷さんはもうすっかりベテランでいらっしゃいますね。

 いつの間にか、結構な数やってますね。気がついてみたら、こういった読みの仕事は割と好きですねえ。
─絵本のナレーションや読み聞かせについては、何か思い出 などありますか。

 俺、子供が4人いるんだけども、それがまだ幼稚園から小学生くらいのころ、ウチで子供たちが読んでるのを横取りして、それを派手にアクセントや節をつけたりしながら読んで聞かせるのが好きでしたね。しかもレコードやなんかでバックに音つけたり、結構凝ってやるんですよ(笑)。子供たちも楽しかったみたいだし、なんだかそういうのが俺も好きでね。
─ご自宅でも演出を入れながらとは、なかなか贅沢な読み聞かせですね。

 そうですねえ。好き勝手にやってましたよ(笑)。
─絵本のナレーションならではの、気をつけた点はありますか。

 テレビ番組とは、表現の仕方がだいぶ違いますね。ドキュメンタリーなんかは画面に合わせてテンションを上げたり下げたりが多いんですが、絵本はそうはいかない。きちんと聞かせる感じで読むように気をつけました。

 ただ、自分のウチでやるときは、つい「面白おかしくやってやろう」とか「怖がらせてやろう」なんて思いながら、勝手な節回しでやっちゃってたんだけどね(笑)。
─ちょっとしたコント調で、そちらもまさに得意技というところですね。

 まったくだね。子供にしてみりゃ、有難迷惑だったかもしれないね(笑)。
─今回の『たろうのおでかけ』の原作絵本は、なんでも初版が1966年で、40年越しの大ロングセラーなんだそうですね。

 なんと、そうですかぁ。おやおやおや、大したもんですねえ。40年前かぁ……。
─60年代というと、谷さんにとってはクレージーの黄金期ですね。

 そのころは、明けてもくれても仕事仕事という時期ですね。テレビ、舞台、映画、ラジオ、いろんなジャンルのものをやってたから。寝るヒマもないくらいでしたね。

 クレージーでは、映画は1月ちょっとくらいでドンドン撮っちゃってたし、テレビについては『おとなの漫画』という番組で、月曜から日曜、毎日生放送やってたしね。しかもその日の出来事をコント仕立てで3分くらいでやってたんですから、放送作家の青島幸男さんなんかは大変だったろうね(笑)。
─凄い時代ですねえ。

 でも「イヤだよ、冗談じゃないよ」とは思わなかったですね。テレビで遊んでやれ、って気持ちだったから。他の役者さんは、クレージーのテレビを見て「いいねえ、好きなことやって」って笑ってました。

 そのころから、テレビでSFアニメのナレーションをやったこともありました。そのときは結構クドい感じでやりましたんで、ウチでやってたのが役に立ったんだね(笑)。今回の絵本とは、だいぶ違う演じ方でしたね。
─その今回の絵本『たろうのおでかけ』について、実際に動いている絵をご覧になった印象はいかがでしょう。

 見た目に楽しくて、ほっとするような話ですね。  実は俺も絵が好きでね、自分で描くこともあるんですよ。ただ、それはまったくもってSFやら怪奇の世界で、少々絵本にはなりづらいかな(笑)。それに比べると、この絵本はとても穏やかで、安心して見られる、な絵ですよ。

─今回の『たろうのおでかけ』をご覧になる方に、メッセージを。

 まずは見ていただいて、そこからご自分でいろいろと想像を広げていただけるといいですね。より楽しんでもらえるんじゃないかな、と思います。


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