戦場のオレンジ

戦場のオレンジ

作: エリザベス・レアード
訳: 石谷 尚子
出版社: 評論社

税込価格: ¥1,430

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作品情報

発行日: 2014年04月
ISBN: 9784566024205

四六判/128ページ

出版社からの紹介

破壊されたベイルートの町で、よりそって暮らすアイーシャたち。母は爆撃で行方不明となり、たのみのおばあちゃんまで倒れてしまう。おばあちゃんを助けるためには敵の土地まで薬をとりに行かなければならない。十歳の少女の決断とは?

ベストレビュー

イスラエルで起きた戦争は…

児童書です。
このお話は作者が体験したことを基に創作されたお話でした。
物語は、戦争に巻き込まれた一般市民の一人の女の子の視点で進んでいきます。
主人公・アイーシャは爆撃で母親を失い、
祖母とふたりの幼い弟と一緒だけで必死に生きていたときの短い期間を描いたものでした。

物語には荒々しい戦争シーンは一つカーテンの向こう側のような感じにしか描かれていません。
けれども一つ間違えればすぐそこに死が待っているような状況は、要所要所に描かれていました。
民間兵士たちが守っている『チェックポイント』:(お互いのテリトリーを守る?目的で支援物資なども管理する場所らしい)や
『グリーンライン』:(双方の民族の分裂した地域の中央線、ドイツのベルリンの壁のようなもの)の辺りが大変危険であること、その間の行き来は非常事態でも難しいことがよく伝わってきました。

タイトルにある「オレンジ」は、アイーシャがその『グリーン・ライン』を超え、おばあちゃんを助ける薬を求めて向こう側へ行ったとき、
道に迷って途方に暮れていた彼女に、屋台の男の子がくれたオレンジのことを指しているのだと思います。

最近日本の社会で話題になることが少なくなってきましたが、
中東戦争=パレスチナ紛争は民族間の《想いの擦れ違い》の根が深く、紛争しては協定し、協定しては紛争する歴史の中で、
諍いに関係なく平和に暮らしている人々にとっては、家族を失ったり、生活できなくなったりするだけの大変大きな出来事です。

このことをあまり大げさに語るのではなく、たった一人の少女を追うことで、子どもたちにわかる視点で描いている作者の腕はすごいなと、思いました。
物語は長すぎず、文字や行間も細かすぎず、読むことが苦手な子でも、読みやすい文字量の作品ではないかと思います(本が好きな子にはやや者たちないかもしれませんが)。
世界の出来事に興味のある人にはぜひ読んでもらいたい1冊です。
(てんぐざるさん 40代・ママ 女の子19歳、女の子14歳)

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