
のぞきこむようにじっとこちらを見つめてる くりくりおめめの可愛い猫ちゃん。
彼女の名前は、タビー。 大好きなおばあさんと静かな田舎町に住んでいます。 タビーの至福の時は、おばあさんのふわふわスリッパに 顔をうずめて寝ている時。 ゴロゴロ、ゴロゴロ、とってもしあわせ。
ある日のこと。 おばあさんは大きな街に住む娘さん一家と暮すために お引越しをすることになりました。 いろいろな人が出入りして瞬く間にトラックは出発。 うっかりタビーを忘れてしまって、 あわてて戻ったときにはもうタビーはいませんでした。
置き去りにされたタビーが一体どうしていたかって? どうぞご心配なさらずに。 タビーは、猫。そう、いかにも猫の猫らしく 新しいお家さがしを始めていたようです。 そして、どうやらたくさんの出会いがあったみたいです。 タビーのこと、あら、なんて薄情なと思わずに どうぞ最後まで読んでみてくださいね。 タビーが自分の直感を信じて見つけた新しいお家。 一体どんな人たちが待っていたのでしょう。
今作が初めての絵本となるC・ロジャー・メイダーは、スーパーリアリズム絵画で活躍する画家です。美しい猫の毛並みや飼い主を見上げる時の愛らしい仕草。猫の目線で描かれる登場人物たちの靴のリアリティに驚かされます。この猫ちゃん、モデルはメイダーさんの飼い猫なんですって。その子も、こんな大冒険をしたことがあるのでしょうか。
最後はくすっと笑ってホッとできる素敵な猫ちゃんのお話です。
(富田直美 絵本ナビ編集部)

ねこのタビーは、ちいさいころから、ふわふわスリッパのおばあさんの家にすんでいます。ところが、おばあさんは娘一家と都会でくらすことになりました。引っ越しの日はあわただしくて、トラックはタビーを残して出発してしまったのです。タビーはけんめいに追いかけますが、トラックに追いつくことはできません。おまけに、自分がいま、どこにいるのかもわからない…。どうしたらいいのでしょう? タブロー画家として活躍する著者の絵本デビュー作。

こんなことって本当にあるのかも。
こんなお話って本当にきっとどこかで同じようなことが起きているかもしれないなって思ってしまう内容でした。猫の方もしっかりと頑張っているし、何だかドキドキハラハラで、猫のタビーを応援してしまいました。猫目線で描かれているのがまた素敵だと思いました。 (ピンクちゃんさん 50代・ママ 女の子14歳、男の子7歳)
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