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		ひとりで静かに暮らしているおばあちゃん。おしゃべりしたり笑ったりするのは孫の姉弟が遊びに来た時だけです。出てくるごはんはいつも同じだし、話は始まるとなかなか終わらない。買い物をして、編み物をして、ピクルスのびん詰めを作る、それだけの毎日を送るおばあちゃんのうちに行っても、ゲームやスマホで遊んでいる方がずっと刺激的でおもしろい姉と弟。
 
 いつものように訪れたある晩のこと、おばあちゃんが大事な話があると語り出しました。
 「私たちの住む世界は とてもこわれやすいって知ってるかい?
 いま地球にあるものは自分たちで守っていかないとだんだん消えてなくなってしまうんだよ」
 おばあちゃんの言ったことは、本当なのでしょうか?
 気になった姉弟はもう一度おばあちゃんに話を聞こうとするのですが、家の中のあちこち探してもどこにもいません。
 まさかおばあちゃんも、消えちゃったの……?
 
 ───たのしいことなんて なんにもしていないんだろうな。
 
 おばあちゃんに対する姉の心の声、ちょっとチクッとします。大人の私たちも、子どもの頃はおじいちゃんやおばあちゃんをそんな目で見つめたことがあったかもしれません。
 姉が感じている印象とはうらはらに、おばあちゃんは退屈どころか、いつもどこか楽しそう。一見同じように見える日々の中に大好きなもの、かけがえのないものがいっぱいあるからではないでしょうか。
 
 おばあちゃんは、どこへ?家中をさがし、辿り着いた地下室。扉を開いた孫たちの目の前に広がったのは?
 読み終えたら、ぜひもう一度読んでみてください。ページの隅々に新しい発見が。そして「地球」に思いを巡らせるきっかけに出会えるはずです。
 
 (竹原雅子  絵本ナビライター)
 
 
		
		たいせつな地球を守っていきたい 
 うちのおばあちゃんは一人暮らし。おなじような退屈な毎日を過ごしていて、楽しいことなんて一つもしていないんだろうな・・・・・・、と思っている私と弟。
 二人でおばあちゃんちに遊びにいったある夜、おばあちゃんがいなくなっちゃった。
 二人は家じゅうを探すけれど、おばあちゃんはいません。そうしているうちに、おばあちゃんちの地下に、あっと驚くような秘密の部屋を見つけます。
 
 ピクルスのびんづめを作るのが得意なおばあちゃんが、びんに入れて大切に保存しておきたいと思ったものとは?
 
 
 
 【編集担当からのおすすめ情報】
 おばあちゃんちは退屈でつまらない、と決めつけて、スマホやゲームにいそしむ孫の姉弟。
 姉の一人称で語られていきますが、後半はあっと驚く展開に。
 最後まで読み終えると、必ずやもう一度最初から見たくなります。
 ページのすみずみにまで、ユニークな遊び心が散りばめられていて、2回目、3回目と、面白みが増していく絵本です!
 
		 賛否両論かも地球の大事な物を、ビンに詰めて保管しておこうなんて壮大な話です。地球がダメになってしまう前に、ビンに詰めるだなんて、なんと皮肉な行き方でしょう。
 この辺りに反発を感じる人も多いのでは。
 でも、作者は地球を大切にしようと言っているのですよね。
 既に失われたものも多い中で、地球環境を改めて考える絵本だと思います。
 (ヒラP21さん 70代以上・その他の方 )
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