
「あなたの ママは どんなものに にていますか?」
学校で出された宿題。クラスのみんなはこんなのカンタン!と言います。お寝坊なあまがえるちゃんは、「わたしのママはめざましどけいみたい」と書きました。ふとっちょのウシガエルくんは、「ぼくのママはおりょうりじょうずなシェフみたい」と書きました。でもカエルくんには答えが見つかりません。
「ぼくはママのことをわすれてしまったから、こたえがみつからないのかな」
カエルくんは悩んでしまいます。悲しみに暮れているパパにも聞けません。そこで一人で空を見上げていると、空に漂う雲の形が、だんだん何かに見えてきて……。
死の悲しみを乗り越えて前を向く父と子の姿を、今注目の台湾の作家と画家が美しく繊細に描き出した作品です。子供目線で描かれた素朴で純粋な文章と、柔らかな日差しと雨の匂いを感じる優しいイラストが、国境を越えて私たちの心を揺さぶります。大切な人を思い出しながら、ていねいにゆっくりと読みたい一冊です。
(出合聡美 絵本ナビライター)

「あなたの ママは どんなものに にていますか?」学校で出された宿題にカエルくんは困ってしまいました。ママの口ぐせや思い出は浮かんでも、答えはなかなか見つからず、悲しみに暮れているパパにも聞けません。一人で空を見上げていると、空に漂う雲の形が、だんだん何かに見えてきて……。大切な人を思いながら、死の悲しみを乗り越え前を向く父と子の姿を、今注目の台湾の作家・画家が美しく繊細に描きます。雨上がりの光が感じられる絵本。訳・いとうひろし (Sponsored by Ministry of Culture, Republic of China (Taiwan))

死んだ母親は何みたい?
母親はどんな存在なんだろう。
身近に母親がいるならば、答えは日常の中から見つけられるのでしょう。
でも、カエルくんは考えてしまいました。
母親が死んだ喪失感がカエルくんを包みこみます。
父親はもっとつらそうです。
カエルくんは家族で一緒に見上げた空のことを思い出しました。
母親がいないだけ、空は雄弁なのかも知れません。
読者は不思議な色合いの絵に、カエルくんの喪失感を疑似体験していきます。
癒やしの絵本ですね。 (ヒラP21さん 70代以上・その他の方 )
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