
左のページにあるのは、「まんまる」が1つ。 右のページにあるのは、「まんまる」が2つ。
「どっちがおおい? どっち どっち?」
絵本は問いかけます。答えはもちろん右ページ。多くの方が、絵を見た瞬間にぱっと答えが出たはずです。でも、小さな子どもや赤ちゃんにもわかるのでしょうか?
さらに問いかけは続きます。
「どっちがすくない? どっち どっち?」
左のページにたくさんの緑の「まる」、右のページには少ない緑の「まる」。ばらばらに配置された「まる」と、画面にぎゅっと詰まった「まる」。白い「まる」に黄色の「まる」。
決して「かぞえてごらん」の言葉や、数字や計算の出てこないこの絵本。実は、この「多い・少ない」を直感的に見分ける能力は、赤ちゃんにも備わっているのだそう。だからこそ、子どもが数をかぞえるのではなく、直観的に数の大小関係を理解できるような構成になっているのです。このような「数を直感的に理解する能力」のことを「サビタイジング」といい、後の計算能力の基礎になることが科学的に明らかにされています。
そうとわかれば、楽しみ方も簡単です。親子で絵をぱっと見たり、よーく見たりしながら、「どっちがおおい?」「どっちがすくない?」という対話を重ねていってください。大阪大学発達認知科学ラボ発のサビタイジングを育む絵本、色々と役に立ちそうです。
(磯崎園子 絵本ナビ編集長)

1さいから計算脳を育てる! 大阪大学発達認知科学ラボ発 エビデンス絵本! 左ページに「まんまる」が1つ。右ページに「まんまる」が2つ。 左右の「まんまる」を見くらべて、どっちが多いかわかるかな?
答えは右ページ。 多くの方が数をかぞえることなく、瞬時に正解されたのではないでしょうか。 実は、この「多い・少ない」を直感的に見分ける能力は、赤ちゃんにも備わっているのです。 本書の作者であり、認知発達の研究者である鹿子木康弘先生によると、この「多い・少ない」と大小区別をする能力は、乳児期のかなり早い段階、生後3ヶ月ほどからみられることが研究成果からわかっているそうです。また、このような「数を直感的に理解する能力」のことを「サビタイジング」といい、後の計算能力の基礎になることが科学的に明らかにされています。
本書の構成は、子どもが数をかぞえるのではなく、直感的に数の大小関係を理解できるような構成になっています。にこにこ顔のついた「まんまる」や、「まんまる」を並べてできた魚やひよこのカラフルなイラストを楽しみながら、左右のページを見くらべてみよう! 「どっちが おおい?」「どっちが すくない?」「どっち どっち?」と親子で対話を楽しみながら、サビタイジングを育む1冊です。
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