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80年前、日本はアメリカと戦争をしました。2014年、アメリカで「一郎君へ」と書かれた日章旗が見つかります。日章旗とは兵隊に行く人のお守り代わりに、周囲の人たちが日の丸の旗に名前を寄せ書きしたもの。戦場に残された旗をアメリカ兵が持ち帰り、遺品として出てくることが多いのです。その日章旗に書かれた59人の名前を手がかりに、「一郎くん」がどんな人だったのかを探るため、新聞記者が静岡の町を走り回ります。

探し出された一郎さん
2014年といえば、戦後70年に近い年でした。
戦後の長い年月を経て、アメリカの団体に保管されていた日章旗が日本に戻って来ました。
それから、この日章旗の持ち主の「一郎さん」探しが始まりました。
この経緯が児童書としてまとめられていることに意味を感じます。
子どもたちに戦争を伝える1冊です。
その当時どんなことがあったか、どのような社会だったかを、静かに描いた絵本でもあります。
「一郎さん」探しの困難さの末に、持ち主がわかりました。
一郎さんは戦死していました。
出征した時のエピソードも浮かび上がりました。
一郎さんが、戦地から送った写真とともに家族への思いも伺い知ることができました。
避けて通ることができなかった戦争との関わりとともに、一郎さんの短い人生が、今を生きる子どもたちに語ることは多いのではないかと感じます。
戦争は人の命や人生を、消耗品に変えてしまうものだと、痛感しました。
せめて、一郎さんの人生が掘り起こされたことが、良かったと思います。
戦後80年を考える材料として出版された絵本です。
(ヒラP21さん 70代以上・その他の方 )
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