
どんなときでも「喫茶店」でのひと休みと「物語」が、 私たちを癒してくれる。 いま最注目の作家陣が、 お茶の時間に交錯する人間ドラマを紡ぐ、 心をやさしく潤す短編集。
●作品紹介 憧れのカフェでバイトをはじめた僕。 店員として足りないものがあるのでは、と悩む僕に先輩は言う。 「カフェっていうのはね、恋にあふれたファンタジーワ―ルドなんだよ」 ――青山美智子「サロンエプロン」
仕事に疲弊する私のもとに届いた、 高校時代の親友からの15年ぶりのメッセージ。 思い出のルノアールで、ウィンナーコーヒーを飲みながら作るのは、 大谷翔平の人生設計ばりのプランニングシート? ――朱野帰子「痛い人生設計を作る、ルノアールで」
昭和初期に建てられた洋館で週末の夜だけ イブニング・ティーが楽しめる「ミント邸」。 名物は極上のホットケーキとマダムが提供する紅茶占いで……。 ――斎藤千輪「究極のホットケーキと紅茶占い」
神保町のレトロ喫茶に迷い込んだ女子高生の千紗。 ケチャップ色のナポリタンに、こだわりのコーヒーを供してくれるそこは、 まさに夢のワンダーランド! ――竹岡葉月「不純喫茶まあぶる」
気になる同級生の秘密を偶然知ってしまった高校生の映史は、 マスターがあらゆる「告白」をただ受け入れてくれる喫茶店 「キルシェ」のカウンターに座るが……。 ――織守きょうや「彼と彼女の秘密と彼」
こちらとあちらの「中間生」にあるナカマ茶屋。 ヒミコさんたちが最後に食べたいものを提供しながら、 わたしはツレを待っているのです。 ――小川糸「浮島 イルフロッタント」
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