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		期間限定の秘密基地――緑ふかい公園の廃屋で、学校や家に居場所のない少年少女たちが友情を育む。社会における子どもの立場を考えさせる問題作。
		
		 
		
		 
		
		 グッと、惹きつけられる物語でした。
		上の子の朝読用に用意しました。私が先に読んじゃったけど、うちの子も好きになってくれる作品だといいな〜。 
 
中学受験をひかえた小学校6年生の男の子『和希』が、主人公。 
和希の意志に関係なく 
「自分たち様な、ある程度知識も経済力もある家庭の子は、中学は私立に通うものだ」と、思い込んでいる両親に、 
敷かれたレールとは違う意志を持った自分がいるのに、 
自分の気持ちを口にできないジレンマに戸惑い悩んでいる和希。 
 
私はどちらかというと、和希たちと一緒に、子どもの目線でこの物語を読みました。 
どうにかしたいのに、どうにもならない世の中の不条理に、子どもたちと一緒に怒りを覚えました。 
その世の中をつくって、子どもたちに提供しているひとりなのに、自分自身も矛盾してますね…。 
 
折しも、上の子はもうすぐ高校受験を控えています。 
わが子は本当に、自分の行きたい高校を希望しているのでしょうか? 
そんなことを考えながら、この物語のひと夏を過ごしました。 
 
私たちの町にも、「ローシ」の様な人がいたらいいな。と思いました。 
子どもたちが、ホントにやりたい何かを見つけるための道標は、本当はいちばん身近な親が支えてあげるべきなんだろうけど、 
情けないことですが、周りの親たち(もちろん自分を含めて)は支えるより、邪魔して、道を狭めている親の方が多い気がします。 
 
物語のまとまりもよく、字のレイアウトも大変読みやすいいい作品だと思います。 
猫野べすかさんのイラストも物語のイメージにあっていて、印象的でした。 
この話を読んだから、世界が変わるとか、親が「自分を分かってくれるようになる」わけではありませんが、 
第三者の目線で、主人公たちをおっていくことで、読み手の何かが変わるような気がするのは、私だけでしょか? 
ぜひ、同世代の子どもたちと、このくらいの年ごろを持つ親たちに読んでもらいたい作品です。 (てんぐざるさん 40代・ママ 女の子15歳、女の子10歳)
		
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