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		「七年もの間、身体を洗わず、ひげにも髪にもくしを入れず、つめも切らず、祈りもせずに生きのびたらお前を金持ちにしてやろう」
 悪魔と取引をし、くまの毛皮を着せられた若者。
 ”くまっ皮”と名のって放浪の旅をつづける若者の行く末に待っていた運命は…。
 
 スイスの代表的な画家ホフマンは、グリムの昔話に絵を描き、
 自分の子や孫に愛情をこめて手描きの絵本を贈ったことで知られます。
 この作品は最晩年の作で、当時孫に贈った貴重な手描き絵本を原稿として製版しました。
 
		 思いやりの深いたち以前読んだ記憶があったのですが、『くまおとこ』の新訳でした。
 「子どもに語るグリムの昔話」によるとのことで、
 文章が洗練されている印象です。
 兵隊を除隊された若者のエピソード。
 途方に暮れていたところで、悪魔と出会い、ある契約をするのですね。
 7年間、くまの皮をかぶり、体を洗わず、ひげ、髪、爪も伸び放題で過ごす。
 くまっ皮というネーミングがなんとも。
 金には不自由しないものの、すごい契約。
 でも、思いやりの深いたちというのが、主人公の徳。
 後半は、真実の愛へと結実するのが清々しいです。
 真実を見抜く末娘の純真さも素敵です。
 孫たちのために描かれた作品という事で、
 ホフマンの思いも伝わって来るようです。
 (レイラさん 50代・じいじ・ばあば 女の子0歳、女の子0歳)
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