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		ある暑い日、1頭のライオンが帽子を買おうと、街にやってきました。ところが街の人たちにおいかけられ……
 逃げこんだのは、アイリスのうちの庭の、おままごと用の小屋。
 あれ、ライオンったら、ほとんどはみだしていますよ。
 アイリスはライオンを家のなかに入れてあげました。
 おとうさんとおかあさんに見つからないように、こっそりと。
 だって、おとうさんとおかあさんが知ったら、びっくりしておおさわぎしちゃうでしょう?
 
 アイリスは、ライオンとたのしくあそびます。
 ん? そんな大きなライオン、アイリスはこわくないの?
 それに、家族に見つからないようにするなんて……できるの?
 
 小さな女の子が、大きなライオンをかくすのは、とってもたいへん!
 でもね、アイリスはがんばります。
 それにこのライオンさんったら、素敵なんです。
 思わずさわりたくなる、あたたかそうな大きい体。
 情けない顔をしたり、なでられてうっとりしたり、表情ゆたかな姿を見れば、
 きっとあなたもライオンが好きになっちゃうはず。
 大事なときに「ぐわああああっ」と吠えてとびかかる瞬間は、迫力満点。
 こんなライオンと暮らしてみたい!
 
 作家のヘレン・スティーヴンズは、1972年生まれのイギリスの絵本作家、イラストレーター。
 本書は15か国言語に訳され、あっという間に世界の子どもたちの大好きな絵本に仲間入りしました。
 のびのびしたタッチと、しゃれた色彩が素敵ですよ。
 続編『おばあちゃんからライオンをかくすには』もあわせて読んでみてくださいね。
 
 (大和田佳世  絵本ナビライター)
 
 
		
		ぼうしをかいに、町にやってきたライオン。少女・アイリスは、庭に逃げてきたライオンを、子ども部屋にかくしてあげることにしました。けれども、そうかんたんにはいきません。大きいし、もじゃもじゃだし、なにしろ重たいんです!  さて、アイリスは、いつまでライオンをかくしておけるでしょうか......
		
		 
		 「かくれんぼ」のドキドキ感を、思い出します軽妙なタッチでのびのびと描かれた絵本です。百獣の王として威厳のあるはずのライオンも、ユーモラスで可愛いです。どのページにも登場するライオンの黄色い色が、キレイで効いています。
 ライオンは、帽子を買いに来ただけなのに、街は大騒ぎ。追いかけられて逃げ出すはめになりました。でも、小さな女の子が家にかくまってくれて・・・。
 
 体の大きなライオンを、両親に気付かれないように隠すって、とっても大変!今にも見つかりそうでドキドキします。読んでいると、かくれんぼの時のドキドキ感を思い出しました。聞き手の子どもには、ここが面白いところだと思います。
 
 努力もむなしく?見つかってしまったライオンも、思わぬ活躍をしてみんなの人気者に・・・。良かった!
 
 大判で大きく描かれているので、読み聞かせ会にも向いていると思います。楽しい絵本です。
 (なみ@えほんさん 50代・ママ )
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