
19世紀終わりのアメリカ。女性が自分の考えで仕事を選ぶことがめずらしかった時代、小さな町に生まれ育ったアン・キャロル・ムーアは、自分の考えをしっかり持った女の子でした。やがて、ニューヨークで図書館学を学んだのち、ニューヨーク公共図書館の児童室の創設にたずさわり、児童図書館サービスの先駆者のひとりとなります。ひとりの女性の生き方としても興味深いムーアの生涯を通して、図書館児童室の歴史を語る絵本。

児童室ができるまでの苦難
今では、図書館に児童室があっても不思議はありませんが、昔、図書館は大人の世界でした。
図書館が本を借りるところではなく、図書館の中で本を読む場所だった時代もあります。
本を鎖でつないだり、図書館に入るのにお金がかかったり…。
苦難を乗り越えて、素晴らしい児童室ができたのは、多くの人の努力によるものなのですね。
ここに書かれたアン・キャロル・ムーアさんの努力は、昔でいう図書館奉仕論、今の図書館サービス論を信念として持っていたからでしょう。
図書館人として頭が下がるとともに、子どもたちには図書館の素晴らしさを伝えたいと切に思いました。
素晴らしい実話であり、素晴らし絵本だと思います。 (ヒラP21さん 60代・パパ )
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