
シャオチンはおばあちゃんのまわりをピョンピョンとびはねながら歌うように言います。
「あしたはみんなで、あしたはぎょうざ。 あしたはみんなで、あしたはぎょうざ」
いつもはお仕事のパパとママも、明日はおやすみ。普段はママとおじいちゃん、おばあちゃんと暮らしているシャオチンですが、おやすみの日はパパとおにいさんも一緒にぎょうざをつくって、みんなで食べるのです。さあ、家族みんなでぎょうざ作りがはじまります!
おじいちゃんは庭から野菜をとってくると、おばあちゃんは小麦粉から皮をつくり、ママはぎょうざのあんをつくります。そしてシャオチンは、今日初めてぎょうざの皮にあんを包んでみます。全部包みおわったら……、
「さあ、パパのでばんでだね!」。
中国では、ぎょうざといえば水ぎょうざ。このお話は、料理家として大活躍しているウー・ウェンさんの少女時代の思い出の一日が絵本になったもの。今から60年くらい前の中国の北京の食卓を舞台に、数々の文学賞受賞歴のある石井睦美さんの文章と、かわいらしい子どもたちを描くことに定評のある松本春野さんの絵で、幸福感あふれる一冊となりました。
どの国にも、こんな幸せな家族の食卓の風景がある。絵本の中で共通の体験をすることで、より世界を身近に感じることができますよね。ぎょうざ作りも真似したくなっちゃいます。
(磯崎園子 絵本ナビ編集長)

「あしたはみんなで、あしたはぎょうざ。 あしたはみんなで、あしたはぎょうざ」
ふだんは、パパ、おにいさんとはなれて、ママとおじいちゃん、おばあちゃんとくらしている少女シャオチン。 明日はお休みなので、パパとおにいさんもいっしょに、ぎょうざをつくって、みんなで食べるのです。
おじいちゃんは庭から野菜をとってきます。 おばあちゃんは小麦粉から皮をつくります。 おかあさんはぎょうざのあんをつくります。
「1、2、3。そうしたらくるっとまわして、 えーと、1、2、3でぎゅっとする……できた!」
シャオチンは、はじめてのぎょうざのあんを皮で包みました。
たくさんのぎょうざが包めたら、さあパパの出番ですーー。
料理家のウー・ウェンさんの原点、少女時代の家族の思い出が絵本になりました。 みんなで作って、みんなで食べる。 幸せな食卓の思い出です。
*すべての漢字にふりがなつき *ひとりで読むなら小学校3年生くらいから

伝わってくる
料理研究家のウー・ウェンさんの少女時代のお話なんですね。休日に、みんなでぎょうざを作る様子が、やわらかいタッチで優しく描かれています。女の子の楽しい気持ちが伝わってきます。ぎょうざはみんなで作ると楽しいのわかるなあ、と、思わず、自分の思い出に重ねながら読んでしまいました。あたたかい、ひだまりのような一日がえがかれた絵本だと思います。 (あんじゅじゅさん 50代・その他の方 )
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