
母親を亡くし、祖父母と暮らすことになった中学2年生のトーコ。ある日、トーコがママの部屋を整理していると、ノートの間から何かがするりと抜け落ちてきた。それは、見覚えのない一枚の絵ハガキで、トーコが知らない差出人からだった。その後、トーコは「トーコに見せたい」と、ママが行きたがっていた場所があることを思い出して……。その場所を探すことにしたトーコは、叔母の千紘ちゃん、同級生の穂香や北沢など、周囲の優しさにふれ、成長していく。「べんり屋、寺岡」シリーズの著者書き下ろし作品。
<目次>1.戻れない庭/2.空耳と現実/3.ママのノートとわたしの夏服/4.穂香の絵と星占い/5.パパからの電話/6.途切れた虹/7.パンケーキと千紘ちゃんの涙/8.やさしい風が吹いた/9.緑の瞳とネックレス/10.雪が咲く

母が亡くなる辛さ
気持ちを丁寧に描く作家さんだと思った。多感な時期に母親を亡くすのは辛い。
肉親の誰を亡くしても、しばらくはその喪失感から逃れることはできないが、母親は日常生活のすべてに関わっている存在なので、食事や四季の移ろいなどでも、寂しさが直結してしまう。
最後の景色の描写が美しくて涙してしまった。繊細で優しい作風なので、他の作品も読んでみたい。 (はなびやさん 50代・ママ 男の子18歳)
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