くまとやまねこ
  • ちょっとためしよみ

くまとやまねこ

  • 絵本
作: 湯本 香樹実
絵: 酒井 駒子
出版社: 河出書房新社

在庫あり

税込価格: ¥1,430

絵本ナビ在庫 残り1

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作品情報

発行日: 2008年04月
ISBN: 9784309270074

みどころ

ある朝、なかよしのことりが死んでしまって・・・。物語はちょっとショッキングな出来事で始まります。くまは泣きながら木箱を作り、花をしきつめ、ことりをそっといれます。

大事なものを失くしてしまう、という感覚は、誰の身にも起こりうる事だけど、その心の痛みを代わってあげるということは決してできません。例え、それが小さな心の持ち主であろうと。
くまが箱の中のことりを見せる度に、周りの動物達はとまどう。そして忘れて乗り越えるように諭します。このやりとりには、心を締め付けられるようです。
でも、ここで話は終わりません。ある日、くまは外がいいお天気なのに気がつくのです!そして、小さいけれど大切な出会いをしていくのです。心の再生に合わせるかのように、景色にも色がついていき・・・。テーマは大きくても、子ども達に向けて優しく描かれている「死」についてのお話です。

酒井駒子さんの心のこもった絵と合わさると、読み終えた後、音楽を聴き終わった様な、静かな感動を覚えます。絵本を通して、「時間と音楽」が、こんなに尊くて素晴らしいものだと気がつかせてくれます。こんな体験はなかなか出来ないと思います。湯本香樹実さんと酒井駒子さんの夢のコラボレーションです。

(磯崎園子  絵本ナビ編集長)

くまとやまねこ

出版社からの紹介

突然、最愛の友だち・ことりをなくしてしまった、くま。
くらくしめきった部屋に、ひとり閉じこもっていたくまが
やがて見つけた あたらしい 時の かがやき。


だって、ぼくたちは ずっとずっといっしょなんだ

<あらすじ> 
突然、最愛の友だち・ことりをなくしてしまった、くま。
くまは手作りの箱に花びらをしきつめて、そっとことりを入れ、持ち歩くようになります。
箱の中を見るたびに、こまった顔をする森のどうぶつたち。そしてみんな決まって言うのでした。
「くまくん、ことりはもうかえってこないんだ。つらいだろうけど、わすれなくちゃ」
くまは、くらくしめきった部屋に、ひとり閉じこもってしまいます。
でも、やがてくまにも、光あふれる、あたらしい時がおとずれて……


湯本香樹実×酒井駒子 夢のコンビで贈る感動の絵本
小説「夏の庭 ―The Friends―」でボストン・グローブ=ホーン・ブック賞等
を受賞した湯本香樹実と「金曜日の砂糖ちゃん」でブラティスラヴァ世界絵本原画展(BIB)金牌等
を受賞した酒井駒子。
世界的に注目を集める二人が初のコンビで描く、感動の絵本。

ベストレビュー

どうしたら悲しみを受け入れられるの?

大好きな酒井駒子さんの絵。
でも、この絵本はあまり読みたくありませんでした。
子どもが生まれて、決して失いたくないものができたおかげで強くなったけれど、弱くもなりました。
大切な人を失ったら、どうしたらいいのだろう。
だから、私はシリアスな絵本はあまり近づけなかったのです。

それが、東日本大震災が起きて、いろいろな戸惑いを経て、少し気持ちが変わり、読んでみました。

くまが失ったことりを箱に入れて持ち歩く描写は、その美しさゆえに余計に読んでいてつらいものでした。
学生の時読んだ、キューブラ―・ロスの死ぬ瞬間(死を迎える人は否認と孤立→怒り→取り引き→抑鬱→受容という気持ちの流れがある、といった内容)を思い出したりもして。

くまが悲しみを受け入れられたのは、なぜだったのでしょう。
なにがあっても流れていく時間、晴れた空、同じ悲しみを受け入れたやまねこの優しさ、音楽、ことりとの輝いていた思い出が消えないことに気付いたから、でしょうか。
死が悲しいのは、それだけ生が素晴らしかった証拠なのですね。

重いテーマを湯本香樹美さんが優しく丁寧な物語を紡ぎだし、
酒井駒子さんが、生と死に通じるような、光と影を感じる黒っぽい絵で描きだしています。そして、少しずつ色づく印象的な赤。
大人のための絵本の名作だと思います。
(ランタナさん 30代・ママ 男の子8歳、男の子5歳)


#絵本ずかん200選

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