児童書やアニメ、映画でもおなじみのパディントン。 今回の絵本では、パディントンがロンドンにやってきた頃のことが描かれています。パディントンと言えばマーマレード好きで有名ですが、実はペルー出身ということをご存じだったでしょうか? パディントンというキャラクターは知っているけれど、どういうクマかはよく知らないという方は、この絵本から読み始めるのがおすすめです。
そして、タイトルにある通り、この絵本の魅力は「手紙」! 封筒の形をしたページがいくつもあり、中には便せんや絵はがき、お店のクーポンなんかも入っているのです! 封筒から出して、便せんを広げて、読み終わったらたたんで戻して……。 届いた時の喜び、読む時のはやる気持ち、そっとしまって大事にとっておく時の幸福感。そういうものが、こんなにワクワクすることだったんだと気付かされます。 月並みな感想だけど、アナログってやっぱり良いです。メールが当たり前の世の中にあっては、手紙はただの連絡ツールではない、特別な贈り物のように感じます。
贈り物と言えば、作者のマイケル・ボンドが妻に贈ったクマのぬいぐるみがきっかけで「くまのパディントン」が誕生したそうですよ。
パディントンのかわいさも、手紙の楽しさも、いっぱい詰まった絵本。紙の良さを満喫してくださいね!
(近野明日花 絵本ナビライター)
60年以上も前から世界中で愛されているくまのパディントンは、遠い国ペルーからロンドンへやってきました。やさしくおうちにむかえいれてくれた、ブラウン一家との暮らしや、ペルーにいるルーシーおばさんとのやりとりのリアルなお手紙が封筒のページに入っています。
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