働き者で心優しい門太は、とびきり美しい女の人を女房にしますが、女房がちゃんと家にいてくれるか心配で、畑仕事が手につきません。そこで女房の絵姿を畑に持っていくことにしたのですが、ある日、絵は風に飛ばされて、お城の木に引っ掛かります。絵を見た殿様は、女房のあまりの美しさに心を奪われ、むりやりお城に連れてこさせます。けれど女房は、にこりともしません。お城の者が困り果てた時、女房を笑顔にしたのは、聞こえてきた柴栗売りの声でした。そして……。 純朴な青年が、殿様から女房を取り戻すという、人々に愛され続ける爽快な民話。今江祥智のテンポのいい文章と赤羽末吉の躍動的な構図の絵が絶妙にマッチした名作絵本を復刊。
今江赤羽の最強コンビの味わい
「えすがたにょうぼう」は類話も多く、面白くて楽しい読み聞かせに合う絵本も多いので、どうしても比べてしまうのですが、初版が1965年に出された絵本の復刊だということに意味を感じます。
この絵本は、味わう絵本といえば良いのでしょうか、今江祥智さん独特の品格を感じます。
昔話の絵本作家である赤羽末吉さん独特の風景があります。
好き通しの二人が、お城で暮らすのではなく、自分の家に戻って幸せに暮らすというラストに、身の丈にあった素朴な生き方への安心感がありました。 (ヒラP21さん 70代以上・その他の方 )
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